第2話

「お前が乗る余地が無い」

「歩きます」

「は?」

ホークはウィンズの言葉に耳を疑う。

「バカか。死ぬぞ。俺なら平気だからお前が乗れ」

ホークはウィンズをラクダに乗せた。

しかも軽々と。

「案内しろ」

ホークこそ砂漠を甘く見ている気がする軽装でみんなの前を歩き始める。

「あの…」

ウィンズがホークを心配した。

「俺の気が変わる前に辿り着けよ」

ホークは再び強気な笑みを浮かべる。

今度は三人に向けて。

ウィンズ以外の二人は全くホークと話さないで三人の主の居るボーレスランドへ。

砂漠を抜けると専用機に乗ったのでボーレスランドにはすぐに到着した。

だが街は荒れ果てていて中央に豪華な街が存在している様な街を見たホークは冷たい瞳を見せる。

「この建物の最上階に主は居ます」

ウィンズ達は一番豪華な建物の前で止まってしまった。

「中に来ないのか?」

ホークは三人を見る。

「私達は中に入れませんので。理由は聞かないでください」

ウィンズにそう言われてしまったホークは仕方無さそうに三人に背を向けた。

「ここからは私達が貴方様を案内致します」

仮面を着けた男が三人新たにホークの前に現れる。

(何だ、こいつら。気に入らねぇ)

ホークは新たに現れた三人は何故か受け入れられなかった。

「さっさと案内しろ」

ホークはそう言うと黙る。

男達も黙ってホークを目的地である最上階の部屋へと案内した。

そこには沢山のお金や金銀財宝が積まれている。

「豪華じゃろ」

金色のソファーに座った男が笑いながらホークに声をかけて来た。

男は沢山のセクシーな服装の女性に囲まれている。

(こいつが親玉…)

ホークは出来るだけ表情を変えない様に気を付けた。

ホークはこの男の様な存在が大嫌いだったのである。

「五千万も出して俺に何をさせたいんだ?」

ホークは冷めた笑顔で男に聞いた。

「クライシスエリアにある不老不死の力を与える聖なるダイアを白き魔女から奪い返してくれ」

「白き魔女?」

男の言葉にホークは眉をひそめる。

「白き魔女に折角手に入れた聖なるダイアを盗まれてしまってな。それを取り返してもらいたいのだ」

男は改めて言った。

「クライシスエリアには人なんて住んでねぇだろ」

ホークは言う。

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