月にはウサギが住んでいる。🌙ムーンライト･セレナーデ🐰

第2話：エスコートお願い。

その子は、月のネザーランドってところからやって来た」

名前は「シナモン・ロール」 って言う。

「あ、よろしくです」

「僕の名前は「空星 光太（あけぼし こうた）」」

「名前は光るに太いって書いて光太・・・分かります？」

「光太？・・・よろしく、光太」

僕は月のドワーフ族に初めて会った・・・めちゃ可愛い・・・なんてたって

尖った耳がいいよな・・・ちょっと触ってみたい。

「よろしくねって言ってるんだけどぉ？・・・光太」

「あ、よろしく、シナモン・・・シナモンちゃん」

「あ、僕、とりあえず高校性です・・・高校一年生」

「そしたら私と同い歳だね・・・」

「同い歳ね・・・君も高校生？」

「そうだよ・・・ってとで光太ここで会えたのは悪魔の引き合わせだよね・・・

仲良くしましょ」

（悪魔って・・・神だろ？神様の引き合わせだろ・・・間違ってるけど）

「で？地球には何か用事があって来たの？」

「うん、それがね・・・私、家出して来ちゃったの・・・」

「親が勉強しろとか令嬢らしくしろとか・・・うるさく言うからね・・・」

「なに？家出して来たの？・・・まじで？」

「それでね、地球に来て早々だけど私、今日泊まるところがないの・・・

地球のこと右も左も分からないのね」

そう言ってシナモンは探るような目で光太を見た。

「よかったらぁ、光太のマイホームに私をエスコートしてもらえると？」

「タダとは言いわないからね・・・よかったらこれご家族と分けて？」

「なに？」

「お餅」

「私たち日常的にペッタンポッタンお餅つく習慣がある種族なの・・・」

「ほら、うどん県「香川県」の人たちが日常的におうどん食べるみたいに・・・」

「だから光太に、お餅あげちゃう」

「お餅？・・・あ、ありがとう」

光太は餅よりもっといいものくれないかなって思ったんだけど、いらないとも

言えなかった。

「ね、だから〜エスコートお願いできちゃう？」

「エスコート？・・・僕が？・・・君の？」

（こんな場合どうしたらいいんだろ・・・これってファーストコンタクトだよな）

（めっちゃ貴重な体験してるよな、僕）

（ドワーフ人とのコミュニケーション・・・こんなチャンス他の人たちに取られ

たくないな）

「エスコートってつまりシナモンちゃん行くとこないなら僕んちへ？」

「あの・・・シナモンちゃんさえよかったらだけど・・」

「さっきからそう言ってるんだけど・・・」

「じゃ〜僕の後をついてきてください」

「あの、君が乗ってきたUFOここに残したままじゃマズいんじゃないの？」

「大丈夫だよ、このポンコツ時間が経ったら溶けちゃうようセットしたから」

「え、溶ける？・・・溶けちゃったらシナモンちゃん月に帰れないじゃないの？」

「いいの、どうせ帰るつもりないんだから・・・」

「そうなんだ・・・え？ずっと僕の家に居座るつもり？」

「分かんないけどぉ・・・当分は帰らないかも・・・」

「それに私、月に帰るより大事なモノ見つけちゃったし・・・」

「大事なモノ？・・・地球に来ていきなり？・・・大事なモノってなにそれ？」

「聞きたい？」

「うん、聞きたい」

「まだナイショ・・・最初にそれ言っちゃうと調子に乗っちゃうかも

しれないから？」

「調子に乗るって？・・・誰が？」

僕が、そう言うとシナモンちゃんは僕を指差した。

「え?僕・・・指さされても分からないんだよな」

「いいから、いいから」

「そうと決まったら、スーツからワンピに着替えるね」

そう言うとシナモンがショルダーバッグ「ポシェット」からバービー人形が

着そうな小さいワンピースを出して指で触ると、ワンピースはヒューーーー

って大きくなった。

「これに着替えちゃから・・・」

そう言うと、いきなり着てるスーツを脱ぎ始めた。

「え？・・・ここで着替えるの？いやいや・・・僕のまえで裸はマズいって・・・

向こう向いてるから・・・その間に着替えてよ」

「なに？恥ずかしがってるの？・・・見てもいいよ？」

「見ないよ・・・そのくらいのデリカシーあるから・・・普通は女の子のほうが

恥ずかしがらない？」

「そんなことないよ、男の子に見られて恥ずかしくなるような体してない

から・・・」

「あ〜・・・自分の体に自信あるんだ・・・少なくとも貧相な体じゃない

ことだよね」

「たとえば巨乳とか爆乳とかお尻もボリューミーて食べてみたくなるような桃みたいなお尻してるとか・・・」

「なに、妄想してるの？・・・見ればいいじゃない、妄想するほうが変態ちっく

だよ」

はい、これがドワーフ族シナモン・ロールが光太の家に居座ってる理由なのです。

つづく。