## パート9: 進化した連携 VS 特殊な魔物
闇の奥から迫り来る複数の羽音。前回、僕たちを絶望させた悪夢の再来だ。だが、今の僕たちは違う。恐怖はある。だが、それ以上に、やるべきことと、仲間への信頼があった。
「来るぞ!」
僕の警告と同時に、黒い影――ナイトハンターの群れが松明の光の輪郭線上に姿を現した!数はやはり5匹! 前回と同じだ!
「キィイイイイイ!!」
一匹が甲高い超音波を発する! 前回、これで僕たちの連携は崩壊した。だが!
「ぷるな、光を!」
「うん!」
ぷるなが、懐から取り出した月光銀の欠片を強く握りしめる。彼女の片腕が瞬時に液状化し、淡い青白い光を放ち始めた! 光量は松明には及ばないが、暗闇に慣れたナイトハンターたちの目を眩ませるには十分だった!
「キ!? キキッ!?」
光に驚いたのか、超音波を発していた個体を含む数匹の動きが一瞬鈍る!
(よし、効果あり!)
さらに、超音波そのものへの対策も用意してある!
「ゴビー、右上だ!」「ぷるな、俺の前に壁!」
僕は宝珠に集中し、振動と色で超音波の発信源を特定、即座に指示!
「ゴブ!」
ゴビーは壁を蹴り、天井近くを飛び回っていた目標の個体へ一直線! その爪が緑に光る!
「キィッ!?」
麻痺爪が首筋に叩き込まれ、超音波が途切れる!
同時に、僕の前にはぷるなが作り出した粘液の分厚い壁が出現し、届きかけていた超音波の衝撃を吸収・減衰させていた。頭痛も平衡感覚の乱れもない!
(やった! 通用する!)
超音波という最大の武器を封じられ、予期せぬ光で視界も僅かに乱されたナイトハンターたちは、明らかに混乱していた。だが、奴らは本能的な獰猛さですぐに体勢を立て直し、僕たちを目掛けて四方八方から襲いかかってくる!
ここからが本番だ!
「ゴビー、天井から一体引きずり降ろせ!」「ぷるな、その真下に粘着粘液!」
僕は感知能力で最も孤立している個体を特定し、指示を飛ばす!
「おうよ!」
ゴビーは天井の岩に張り付き、落下してくるタイミングを完璧に読み切り、ナイトハンターに飛びかかる! 麻痺爪で動きを一瞬止め、そのまま道連れにするように地上へと引きずり降ろす!
「今!」
ぷるなが狙いすまして放った粘着性の高い粘液が、落下地点の床に広がる! ナイトハンターは粘液に捕らえられ、もがき苦しむ!
「終わりだ!」
僕はその隙を逃さず、短剣で確実に息の根を止めた!
「ボス、次! ゴブ!」
「ぷるな、右の壁際、光で陽動!」
「うん!」
僕たちは流れるように次のターゲットへと移行する。ゴビーが壁や天井を駆使した予測不能な動きで敵を翻弄し、麻痺爪で動きを封じる。ぷるなが発光で注意を引きつけたり、粘液で飛行ルートを妨害したり、あるいは僕やゴビーのための「足場」を壁に瞬間的に作り出したりする。そして、僕が感知能力で敵の位置を正確に把握し、二人に的確な指示を送りながら、動きの止まった敵にとどめを刺す!
暗闇の中での三次元的な戦闘。それは数日前には想像もできなかった光景だった。僕の指示、ゴビーの神速、ぷるなの変幻自在のサポート。その全てが噛み合い、一つの意志を持ったかのように機能している!
「キィ……」
最後のナイトハンターが、ゴビーの麻痺爪を受け、ぷるなの粘液に捕らえられ、僕の短剣に貫かれて絶命した。
「……はぁ……はぁ……」
広間に再び静寂が訪れる。僕たちは肩で息をしながら、周囲に転がるナイトハンターの亡骸を見下ろした。
「やった……! やったぞ!」
僕が叫ぶと、ゴビーとぷるなも歓声を上げた。
「勝った! 勝ったゴブ!」
「よーすけ! ごびーちゃん! すごい!」
前回の惨めな敗走が嘘のようだ。僕たちは、あの時と同じ敵に、同じ場所で、完膚なきまでにリベンジを果たしたのだ。
それは、僕たち三人が、それぞれの弱さと向き合い、互いを信じ、そして共に成長した証だった。
「……ふぅ。まだ気は抜けないが、大きな山は越えたな」
僕は二人の頭を撫でながら言った。確かな達成感と、進化したチームの力への揺るぎない手応えを感じていた。月光銀は、きっとこの先にあるはずだ。僕たちは、新たな自信を胸に、再び洞窟の奥へと足を進めた。
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