7つめの起動-絶望

ゆっくりと息を吸って吐いて…3つ数えると天使に会える。らしい


これはマスターが持っている記憶


そんなわけない。めのまえにあるのが現実だから

目の前が霞む。

届かない手

【笑って】

どこからか聞こえた声

それは、耳をふさぎたくなるような声だった


明は、どこ

光はどこへ

他の子たちは?

どこにいったの


…違う。そこにいる

屍というカタチで


「どうして?なんで??」

折り重なるように

みんな


「いやっいやっ!!!!どうしてなんでなんっ…」

掠れるような甲高い声をあげて血の海に膝から泣き崩れた


わたしが小上がりでの1日の日課を終わらせ

談話室に戻った時に凄惨たる光景が広がっていた


わたしのこの目さえなくなればこの地獄絵図から逃れられる?

現実がこれほどに惨たらしいものなのならば

何の希望も湧かない。ここで希望を持てる人なぞいるのだろうか


「-…。本当に天使にあえるなら、わたし行かなくちゃ」


みんなの顔を見ること、は…これ以上できなかった


この体の真下層には湖がある

燃え尽きた足取りでそこへ向かった


その湖の名…は

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