第3話 女神からの説明
11回目の死に戻りを経験し、12回目の生をどう生きようか考えている俺の前にこの世界の女神であり、俺を転生させた張本人の女神・ルピナスが現れた。
「・・・どうして、どうして今になって現れるんですか?」
本当今更な気がする。俺はこの女神のせいで何度も自分が好きだった世界で死に戻りを体験しているのだ。「転生させてくれてありがとう」よりも、「どうしてこの世界に転生させたんだ!!」という憎しみを強く感じた。
「あなたのお怒りは最もなこと。だからこそ私はあなたに謝りと説明に来たの」
「説明・・ですか?」
「えぇ。まずはごめんなさい」
と言い、ルピナス様は俺に土下座で謝ってきた。これにはさすがに驚いて、
「ちょ!!いきなり土下座って」
「それぐらい、あなたに対して真摯に謝りたかったの。何度も死に戻りを経験したのでしょう?」
「それは・・・はい」
「死に戻りは私がやっていたの」
「なっ!!」
「これにはある理由があったの。聴いてくれるかしら」
「理由・・・分かりました。色々知りたいですから」
「ありがとう!!それじゃ・・・説明するね」
こうして、女神から俺が転生した理由と、死に戻りの原因を聴いた。聴いて思ったことはそういうことだったのかとの安堵と、そんなことでという怒りだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女神からの説明によると、前世の俺の死因は事故死だったそうだ。
車に轢かれそうになっていた少女を庇って居眠り運転していたトラックに轢かれたとのこと。これは神の運命の理から外れていたらしく、本当は轢かれそうになった少女は奇跡的に無事だったらしく、運命を捻じ曲げた俺を捌くことができないとのことでこの世界を神が創造し、俺を転生させた。
なぜ、この世界を創ったのかは、俺が生前好きでのめり込んでいたゲームだったから、この世界に転生させたら喜ぶだろうとの考えで創ったとのこと(これについてはぐうの音も出ない)。
そして・・・死に戻りの理由に愕然とした。
世界を創った際に、ある女神が主人公である勇者を気に入ってしまったらしく、ルピナス様に何も知らせず勇者の都合のいい世界へと干渉したとのこと。ルピナス様が気づいたときには俺が死んでいたとのことで、死に戻りのスキルを与えたのだ。
そして、俺が死に戻りを繰り返していた間に干渉した女神を見つけて封印したとのこと。
「そういう理由だったんですね」
「本当にごめんなさい。私の同族の勝手な行動と時間がかかってしまったことを」
「・・・ルピナス様に1つ確認したいことがあるんですが」
「何でしょうか?」
「俺の死に戻りはまだスキルとして残っているんですか?」
「・・・失くしたいってことね」
「はい。死に戻りは勘弁してください」
何度も死んでは生き返るのが苦痛になっていた。
「死に戻りのスキルを消して、あなたに全属性の適性を与えるわ」
「いいんですか?」
「えぇ。お詫びと謝罪も込めてね」
とこうして俺は全属性の魔法の適性を貰い、死に戻りから解放されたのだった。
「もう、あなたを遮るものはないから、自由にこの世界を生きてね」
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次回、付き添いのメイドさん登場!!
次回更新は火曜日になります。
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