43.エルフの要求です

(も、もしかして…………この人……)


 そうです、彼女は……、


(……ドワーフ?)


 いや、その固定概念どうなってるんですか……!


 鍛冶師=ドワーフですか!


 と、私が心の中で、ホムラにツッコミを入れていると、


「来てもらって悪いね。ウチはここで、しがない鍛冶をしているんだ」


(おぉ……! やっぱり鍛冶師……! つまりリリさんが紹介しようとしてくれていた人はこの人だったというわけか……)


 そうです。


「見ての通り、エルフ族で、名はサシミ」


(あ、ドワーフじゃなくて、エルフなんだ。エルフの鍛冶師さんってことか。名前はサシミさん……)


 ホムラの頭の中に、なにやら生魚の切り身のようなものが想起する。

 サシミと面と向かい改めて見ることでその容姿がはっきりとしてくる。


 金の髪は肩より少し短いくらいのボブスタイル。

 身長は高くなく150センチくらい。

 目は、なんとなく眠そうな半眼気味で、少しぼーっとした印象がある。

 エルフ族らしく目鼻立ちは均整がとれているが、全体として、やや幼く見える。


「あ、あの……、私はホムラといいます。そ、それでサシミさん、この後、どうすればよいでしょうか?」


(……できることなら示談としていただきたい。しかし、金はないぞ……。困ったなぁ……)


「うん、実はホムラさんにやって欲しいことがあってね」


「はい……」


「林でひっそりと暮らしているものだから交友関係があまりなく、なかなか頼める人がいなくてね。図らずも今、ウチはホムラさんの弱みを握ってしまったみたいだから、ここは一つ、頼めないかなと」


「はい……」


(確かに弱みを握られているけども……。この人もンガさんのように、裏表がない系の方かな……? しかし……弱みを握られているのは紛れもない事実……)


「できることなら何でもやらせていただきます」


(と言うほかない。なんだろ……。無理難題じゃなければいいのだけど……)


「えーと、ホムラは作るのは得意な方かな?」


「……! はい……!」


(これはラッキーだ。スキル錬成モデリングのおかげで、物作りは得意中の得意! これはなんとか切り抜けられるかもしれない。こんなところでもがっつり役に立つ! 女神様、本当にありがとう~~)


 ……。


「よかった。うん、それじゃあ、ホムラさん、ウチと子作りをしてくれないかな?」


(はい! よろこんで! …………って、ん? 聞き間違いかな?)


 ホムラは自身の耳を疑う。

 はて……子作りとは……?


「えーと、サシミさん、ちょっとよく聞き取れませんでしたので、恐れ入りますが、もう一度、お願いしてもよいでしょうか?」


「あ、申し訳ない。ではもう一度。ウチと子作りをしてくれないかな?」


(…………なるほど。聞き間違いではないようだ)


「えーと…………サシミさん、少々、想定外の依頼ではあったのですが、理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「うん。実は最近、村を訪れた時や林の動物達を観察していて、気づいたことがあるんだ」


(この導入……嫌な予感が……)


「子がいるのだ」


「…………はい……続けてください」


「そして、よくよく見ると、子を持つ者は、男性と女性のペアが多いことに気が付いた。ふと思い返すと、ウチの父と母も男性と女性だったんだよね。推察するに彼らは男女のペアで子を作っているのではないかと考えたわけだ」


(……正解です)


 ……え? そうなのですか? 言われてみると確かにそうですね……。


「ウチも鍛冶という物作りの道を志し、幾星霜いくせいそう。未だ子というものを作ったことがなくてね」


「左様でございますか……」


(エルフさんということで、きっと長生きされているんですね……)


「というわけで、ホムラさん、ウチと子を作ってくれないか?」


(…………)


「……あの、サシミさん、すみませんが、ちょっと観てほしいものがあるのですがよろしいですか?」


「ん……?」





====

次話、A▽鑑賞


みなさんがエ□フエ□フ言うから……。

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