18.土を掘ります
ホムラとユグハは六日目の朝食を終えた。
「さてと……」
ホムラはよっこいせと腰を上げる。
本日の作業を始めるようだ。
「そろそろアレに着手しないとな……」
「うりゅ!」
ユグハは先ほどの「ちゃんとした穀物とか野菜も食べたいなぁ」というホムラの呟きを聞いていた。
だから、ホムラは何かしら農耕の作業をするのではないかと予想していたが、
「ビオトープの拡張」
「うりゅ!?(そっち!?)」
「ん……?」
(なんか驚いてるのかな? なんでだろ?)
ビオトープとは、『生きものの暮らす場所』である。
ホムラは三日目に、石の鉢を作った。
以降、ホムラは我慢していたのだ。
「うりゅうりゅりゅりゅー(それでは私は森で探し物をしてきます)」
ユグハは森を指差し、次にバイバイのジェスチャーをする。
「え? 森に帰るの?」
「うりゅりゅー!(違います!)」
ユグハは抗議するように首を振る。
「うりゅりゅ(探し物です)」
ユグハは虫眼鏡で辺りを観察するようなジェスチャーをする。
「…………探し物?」
「うりゅー!(です!)」
伝わったのが嬉しかったのかユグハはホムラの腕に飛びつく。
「じゃあ、私も行こうか?」
「うりゅう、オリュラうりゅりゅりゅ(大丈夫です、ホムラはビオトープの拡張に勤しんでください)」
ユグハはどうぞどうぞのジェスチャーをする。
(あ、今、ホムラって言ってくれたな……)
「でもなぁ……」
(ユグハ一人じゃ心配……)
と思った時、ユグハが身体からしゅるしゅると
結構な衝撃で震度2くらいはあった。
「あ……えーと……ユグハは強いから心配無用ってことね……」
(実際、私より全然強そう……)
「うりゅ!」
ユグハはニコリと微笑む。
そうして、ユグハは森へ探し物へ、ホムラはビオトープの拡張を行うことになる。
(さてと、まずは、穴を掘るかな……そのために……)
穴を掘って、池を作る。
そのために、ホムラは事前に、モデリングくんで、ショベルをデザインしていた。
そして、今まで
それは複数素材を元にした
ホムラは石材と木材を揃え、そしてショベルのデザインをイメージする。
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スキル:
素体:安山岩+木材 → 生成:???
実行しますか?
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(よし……できるぞ!)
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『石のショベル』が生成されました。
***************************
ホムラは、刃の部分に石材を、柄の部分に木材を使ったショベルの生成に成功する。
(つまり
ホムラは少しわくわくしてくる。
(女神様、こんなスキルをありがとうございます……)
……感謝をするのは良いことです。
(おっと、それよりは優先事項……)
ビオトープの拡張である。
「どの辺りに池を作ろうかな……」
ホムラは家周辺を見渡す。
と、
(むむ……なぜか分からないがこの辺りがいい気がする)
なぜかビビッと来た場所があったようだ。
実のところ、ホムラがつけている空煌のブレスレッドの加護:空間感知上昇が影響しているのだが、本人は気づいていない。
それから、ホムラはショベルでおもむろに地面を掘り始める。
穴掘りをし始め、少し経ったときである。
ガキンという音がする。
ショベルの先が何か硬いものにぶつかったようだ。
(硬い材質のものが埋まってるのか……。水を通さない素材であれば好都合といえば好都合だが……)
そんなことを思いつつ、ホムラは硬い素材の輪郭をなぞるように、穴掘りを継続する。
(んん……?)
わりとすぐにホムラは異変に気が付く。
(…………えぇ……)
硬い素材は明らかに人のような形をしていた。
その人形は両手をクロスした仰向けで横たわっていた。
(う、嘘だろ……や、やばいものを掘り起こしてしまった……)
ホムラは滅茶苦茶焦る。
(こ、これは
と、
「我が眠りを呼び覚ます者は誰じゃ……」
「へ……?」
(しゃ、しゃべった……?)
と、思った時、人形が光を放つ。
硬質の外皮がポロポロと剥がれ、ゆっくりと身を起こす。
そこには、グラマラスな身体に、トカゲの尻尾のようなものがお尻から生えた少女がいた。
案の定、全裸である。
「えぇッ? あぇッ? なんであたし、全裸ぁ!?」
(…………私が聞きたい)
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