小悪魔ちゃん、あいむそ〜ほ〜に〜。

猫の尻尾

第1話:目覚めたら異世界。

再修正再投稿作品です。



僕は某高校に通う男子高校生。

ごくごく平和で平凡で波風の立たない、だから女っ気もない学生生活を送っていた。


そんなある日のこと、僕は調べ物がしたくて珍しく図書室に行った。


図書室ってのはいろんな本がある、新しい本から、すっごい昔の古書まで

中には誰が持ってきたのか意味不明な怪しい奇書もあったりする。

あとになって思ったんだけど、それが僕が異世界へ行ってしまったことに

関係してるのかもしれない。


図書室なんて入学してから初めて利用した気がする。

生徒なんか誰もいなくて、ひとり本を物色した。


お目当の本を見つけてテーブルに移動しようとした時だった。

天井と床が一回転した・・・気がした。

つまり僕は図書室の中でグルっと回転していたってことになる。


すると目の前が急にぐるぐる回り初めて僕はそのまま気を失った。


そして僕が目覚めたところは、見たともない場所?・・・街?。

なんと僕は道のど真ん中に座っていた。

重そうな雲に遮られて太陽の光が差し込んでなくて空はどんより暗い。

全体的にどことなく人間界とは雰囲気が違っていた。


だから、ここは人間界じゃないんだってすぐに思った。

なにがあって、どうなってこんなところにいるんだ?

図書室でなにが起こったんだ?・・・およよ・・・急に不安が襲ってきた。


その場所の建物はどことなく古ぼけたヨーロッパの旧市街みたいだった。

一応、交通機関はあるみたいで道路って言うか車がすれ違うことができる

くらいの石畳がずっと続いている。


すると背後から車のブザーが聞こえたから振り向くとデカいバスがやってきた。


「ブッブッブッブーーーーーープン」


僕は慌てて路肩に避難した。

バスに跳ね飛ばされたらたまったもんじゃない。

ここでじっとしていてもはじまらないと思ってしばらく先に向かって歩いてみる

ことにした。

古ぼけた町並みを見ながら30分は歩いたかな。


すると向こうのほうに人がひとりいるのが見えた。

徐々に近づいて行くと、それは紫色の髪をしためっちゃ顔色の悪い女の子だった。

人間の女の子と似たようなセーラー服なんか着ている。


女子高生?


その子は僕に気がつくとちらっと見た。

ちらっと見ておいて、二度見して頭からつま先までまた見た。

誰か待ってるのかと思ったら、どうやらそこはバス停みたいだった。


ああ、この子、さっきのバスに乗り遅れたのかな?


このままじゃラチが開かないと思ったからその紫髪のギャルに声をかけてみた。


「あの、すいません・・・ここってバス停ですよね・・・」


「あなた、私にハグしてほしいの?」


ハグって・・・いきなりだな。


「ハグ?・・・・ハグじゃなくてバス・・・バス停・・・バス停ですかって

聞いたんですけど・・・」


そう言うとその子はケタケタ笑い出した。


「すいません・・・ここどこでしょう?」


笑い出したら止まらない・・・。


・・・その子、自分がハグとバスを間違えたことで、どうやら笑いのツボに

ハマったらしい。


つづく。




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