第7話 夢の中
眩い光で目を覚ました。
目を閉じていてもわかる眩しさに驚き、恐る恐る目を開けると、そこに白を基調としたとしただだっ広い空間があった。そして、昨日の疑問が解消される事となった。
「あなたは、昨日ウルフに噛まれた腕を治してくれた人?」
そう。ウルフに噛まれてした怪我を治してくれた女性がそこには居たのだった。
その女性は優しく微笑みながら俺が気になっていであろう事を説明してくるのだった。
「そうよ。私はこの世界アルストの女神リュミエールよ。あなた達にはこの世界の魔王討伐のために転生してきてもらったの」
女神リュミエールと名乗る女性は優しい口調でこう話した。
だがいくつか疑問がある。
他の3人と俺の対応の違いだ。きっと3人は良いスキルにステータス値も良かったのだろう。そして俺はと言うと使い勝手がいいであろう鑑定とデバフにしかならないステータス低下。はっきり言って魔王討伐以前に自分の明日の生活で手一杯である。
そんな事を考えていると女神は複雑な面持ちでこう語りだし。
「あなたにはすごく迷惑をかけてしまったと思っています。もっと優秀なスキルを転生時にお渡しするはずでした。ですが邪魔が入ってしまい。そ、そのこう言う結果になってしまいました。」
女神と名乗る女性が申し訳なさそうにこんな事を言っていた。
だがそんな事を言われてもどうしようも無い。転生後はスキルの讓渡などは女神であっても出来ないとの事だ。
正直手ずまりである。俺は魔王討伐討伐どころか女神から聞いた話によれば5歳程度の能力値しか持っていないとの事。
なるほどな。あの場での空気感を納得してしまった自分がいた。
眩い光が弱まり薄らと消えかけた時
女神が
「昨日のように私が現世で貴方の手助けをすることはもう出来ない。命を大切に。貴方にしかなし得ない道もあるのです、貴方の鑑定で…」
話の途中で女神がいる世界から切り離され起床することとなった。
柊はるかは、夢と現実の狭間にいるような感覚で目を覚ました。
ぼんやりとした意識の中で、女神リュミエールの言葉が頭の中を反芻する。
(……貴方にしかなし得ない道……鑑定で?)
だが、その続きを聞くことはできなかった。
彼は起き上がり、昨夜作った簡易的な寝床を見渡した。夜露に濡れた葉が光を反射し、朝日が差し込んでいる。
(……今は女神の話より、今日をどう生きるかが先だな)
昨日確保した食料はわずか。水はあるが、安定して確保する方法も考えなければならない。
さらに、火を起こす技術も身につけるべきだ。
(……とにかく動こう)
彼は立ち上がり、森の奥へと足を踏み出した。
だが、その瞬間――
「……ッ!」
背筋を走る悪寒。
周囲の空気が一変し、森が静寂に包まれる。
(……何か、いる)
本能が警告を発していた。
彼は慎重に辺りを見回しながら、じわりじわりと後退する。
しかし、次の瞬間――
「グルル……」
低いうなり声が聞こえた。
柊はるかは息をのむ。
視線を向けた先、そこには――
昨日戦ったウルフとは比べものにならないほど巨大な獣が、鋭い牙をむき出しにしてこちらを睨んでいた。
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