転生ステータス低下デバフのバフ?
@yolulun
第1話 転生
俺は転生した?
それは、まるで突如として巻き起こった事故のような出来事だった。
平凡な日常―学校からの帰宅後、家でゴロゴロと漫画に耽っていたひととき―に、
彼の部屋は眩い光に包まれた。
その一瞬の煌めきが収まると、彼は見知らぬ広大な空間に立たされていた。
周囲を見渡すと
鎧に身を包んだ騎士たちと
身分の高そうな中年の男性がいた。
さらに
隣には大学生くらいの風貌の男性が二人
そして同い年らしき高校生ぐらいの女性が一人
静かに佇んでいた。
混乱と不安が交錯する中、彼の内心にはどこか期待すら感じられていた。
「これ…もしかして、異世界転生ってやつか?」
と呟くほどに
彼はこの現実の突飛さに直感で気付いていた
学校では孤立していた自分は、友達もいなければ彼女もいない―そんな日々を送ってきたからこそ
アニメやラノベで見慣れたこの展開に
皮肉なほどの懐かしさすら覚えた。
周囲の人々はまだ現状に呆然としていた。
取り乱すような大学生と無言で顔をしかめる女性
――彼らの様子を横目に彼は心の中で
異世界転生で今までの内気な自分から
変われるかもしれない
と少しだけ思っていた
そのとき
身分が高そうな中年男性が口を開いた。
「我がルーベルト王国に召喚されし異世界人たちよ。これより、この水晶に手を置いて能力測定を行う。拒否権は一切認められん。」
すると、奥から一人の騎士が手に水晶を抱えて現れ。転生したであろう4人を囲むようにしてた騎士が道を開け前へと進んできた。
「これはいったい…何なんだ?」
怒号に近い声を上げたのは、先ほど取り乱していた大学生の一人だった。しかし、彼の抗議も虚しく、騎士に腕を掴まれ、そのまま水晶の前へと連れ出され、無抵抗で手を水晶に押し当てると、眩い光が放たれた。周囲からは、歓声が上がった。
その後、同じようにして、もう一人の大学生と、同い年くらいの女性が次々と水晶に手を置き、光を放たれる。
いよいよ、順番は俺の番に回ってきた。
俺はためらいながらも水晶へと歩み寄った。
奇妙な感覚があった。
手を置く直前
水晶の中がどこか不自然に暗くなったように感じたのだ。
だが、すぐに気のせいだと思い
皆と同じように手を水晶に当てた。
すると、眩い光とともに、水晶の表面に文字が映し出された。
――――――――――――
名前:柊はるか
レベル:1
体力:50
攻撃:5
防御:5
素早さ:3
器用さ:2
運:5
魔力:3
スキル:
・鑑定
・ステータス低下
――――――――――――
その瞬間
彼は自分の新たな運命を
痛感せずにはいられなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます