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第一一話:地下監獄〈かんごく〉のやみに現れたヒカリ*〔泥中の華〕
第一一話:地下監獄〈かんごく〉のやみに現れたヒカリ*〔泥中の華〕
片峠が出て行ってから、一瞬の事だった。
サクラという女子生徒——
あのかれを——
助けてあげないといけない‥‥というか、そうしないと‥‥!私はッ‥‥!
彼女の胸中には、何とも知れない気持ちが、
彼女は
「わたしも‥‥ちょっとトイレに行って来る」
——そうして
彼女は、仲間の女子生徒の返事を待つ事無く、遮二無二、かれを追う様にして教室を抜け出して行った。
かれが駆けて遠ざかって行く‥‥。
その音は廊下の暗い窓の外、走り去り
特に何も、サクラに言う事が無かったふたりは、彼女を引き止める事もせず、少しの間駆けて行く女子生徒を目で追うだけである。
‥‥少し
「何をしに行くのでしょうねぇ‥‥」
「え?う〜ん‥‥」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この世の〈ヒカリ〉よ!
救いは無いのか?救いは来ないのか‥‥?生きて居ても‥‥俺は
倫理的に生きて居ても、ズンズン‥‥俺にはどうにも出来無い‥‥周りから圧し付けられる
イキグルシさ‥‥それが余りに強い
それどころか、暗い教材置き場の部屋の中で
イキグルシサ——
今にでもシぬのでは無いか——とさえ思う、処理出来る量を溢れた頭の中の感情‥‥。これに
俺はブレーキの効かぬまま斜めった坂を転げ落ちる車を運転して居る様な、絶体絶命の状況とさえ感じて居た‥‥高校二年生の俺は車を運転するどころか免許も取ってや居ないが。
止まらない勢いの車を何とかして収める為には、
——病的な速さで繰り返す呼吸をする俺は、
——扉を優しく静かに開けて素早く入る者が居た。
穏やかに扉を閉める前に差した光に、黒い制服姿の女子を見た。
制服、強烈な香りはしない。甘く
どこか遠くに砕け散って行って仕舞って、実際には俺の
「大丈夫片峠くん?!‥‥‥‥もう大丈夫。もう大丈夫ですから‥‥私がいますから‥‥安心していいですから‥‥」
——切実に求めても永久に救いの来なかった俺には、われを確実に救うてくれる‥‥助けを、救いを
そうして‥‥おづおづとしながらも
自分の過呼吸と
——
彼女は
耳元で優しく、心から語り掛ける様な声で‥‥
震える我が子を安心させる様な声で‥‥
「ごめんね、大丈夫。大丈夫ですから。クラスメイトは家族ですから、心配しないで。あなたは大丈夫ですから。私がどんな時でも助けてあげますから‥‥大丈夫。大丈夫ですよ‥‥」
声のあたたかさ‥‥。
聴覚が過敏なのがデメリットでも無く、
‥‥ただ聴こえる声の事以外は、何もかも、
無邪気な子どもがへなへなと地面に座り込んで居る時の様に、俺は何も考えられなかった。俺の中には‥‥
俺は不意に身を任せ切って仕舞って居た。一切を彼女に
高麗橋の声が胸の奥にまで入り込んで、心に染み込んで精神と一体化してしまった様にさえ今感じて居る。そうして敏感な上ストレスに硬変した俺の心の中を——彼女が解きほぐして、不可逆的に
「——————————」
「——————」
————。
気付けば、俺は高麗橋の胸の中で泣いて居た。
今になって初めて気が付いた。俺が自分からそうしたのか‥‥或いは彼女が引き寄せてくれたのかも‥‥わからぬ。わからぬが、優しく動く心臓の音。
彼女が息を吸ったり吐いたりするのに合わせて穏やかに‥‥そして優しく波の様に引いては寄せて行く、俺を抱き止める肩と胸の動き。
俺は、
「ぅうっ、高麗橋、さん、ありがとう」
ゆっくりと、俺を抱く腕が離れる。
「いいんですよ。
そうか‥‥そうなのか‥‥そうだったのか‥‥。
「‥‥そうだね‥‥。高麗橋さん、ほんとにありがとう」
「‥‥別に、名前、『
‥‥名前?そうか、そうだ!そうだった!俺の名前は——。
「——
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
帰ってきたサクラに、教室の後ろの方の座席に座って御弁当を御箸で
サクラの黒い冬季セーラー服は、その
サクラは静かに、自分の御弁当箱のある席に座った。
イマイチ
ムツミは‥‥
思わず反応して
「うわぁ、きも‥‥」
とムツミは言った。
‥‥聞こえた。届いた。
ムツミの
‥‥つらかった。
自分も、
サクラは、奇妙な事に、自分がそう『気持ち悪い』と言われて居る様に錯覚して仕舞った。自分の事を、目の前でその様に言われて居たら‥‥と思うと、そのショックは計り知れなかった。余りに悲しかった。その様に言われるのが。
‥‥じゃあ、必死に慰めた、慰められた自分はどうなるのか‥‥。
サクラは、出来る限り普通に笑顔で話している様にしつつも、少し涙で目を濡らして、
「
「‥‥」
「‥‥あ‥‥はい。ええ。そうかも‥‥ね、そうですね?!わたし!も、櫻の事、わかってるから。櫻、だいじょうぶだいじょうぶ」
そう言う彼女の有り様を見て、ムツミはこう返さざるを得なかった。ギムリは今、自分が分からなかった事が
「(げ‥‥
「——‥‥——‥‥——‥‥‥‥。——。‥‥でもね、‥‥‥‥——」
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