第4話:キャラクター&大筋&動機
7)キャラクター
キャラクター造形は小説執筆において、執筆する作品の核とも言えるほど重要な位置を占めています。主要キャラクターが薄っぺらい作品は、それだけで作品の質を下げてしまいますし、どれだけ優れたシナリオ(プロット)の作品であっても面白さが半減してしまいます。
面白い作品であれば、読者の脱落は少なくなりますから結果的に最後まで読まれて★を貰える確率が高くなります。ですから★が欲しければキャラクター造形に手を抜くのはナンセンスです。
さて、今までテンプレ要素が重要だとさんざん主張してきましたが、主要キャラクターに関して言えば、いわゆるテンプレキャラを多用するのは控えるべきだと言えます。使わない方が良いとまでは言いません。
テンプレキャラはキャラクターを造形する手間が省けたり、バリエーションが豊かだったりして設定づくりや小説執筆が楽になりますが、多用されすぎていてありきたりな作品だと判断されるおそれが増します。つまり、オリジナリティが損なわれるという弊害があります。
したがって主要キャラクターの造形は手を抜かずに、オリジナリティを重視した自分だけのキャラクターを作り上げるべきなのです。
たとえテンプレキャラを使うにしても、そのバックグラウンドや生い立ちには気を配るべきで、薄っぺらいテンプレキャラにならないようにする必要があります。
魅力的なキャラクターというのは、たとえ悪役であってもバックグラウンドがあり、生い立ちがあり、考え方の根拠があります。主要キャラにしても言わずもがな。主要キャラクターにはしっかりとした根拠がある人格を与え、ブレることがない言動をさせるように心がけるべきです。
8)おおすじ
「おおすじ」とはストーリーの大まかな流れのことです。あらすじとプロットを組む前にストーリーの大まかな流れを考えて大筋を作成しておくと、物語が迷子になりにくくあらすじもプロットも組みやすくなります。
8-1)テンプレ要素
大筋の中のテンプレ要素とは、たとえば異世界転生して無双するだとか、異世界の僻地に追放されてスローライフを目指して奮闘するだとかの、ストーリーの大まかな方針です。
この大筋にも人気のテンプレがあって、上で示した異世界転生して無双するみたいな内容は、ちょっと古いですが今でも通用する大人気テンプレです。いくら大人気テンプレと言っても、この大筋の段階からオリジナリティを出すことは可能です。
オリジナリティは読者に興味を持ってもらう、あるいは読み続けてもらう重要な要素ですから、手を抜かずに真剣に考えて、大筋の段階から作品にオリジナリティを持たせるべきでしょう。
8-2)ログライン
ログラインとは、一行でストーリーを要約した文章のことです。厳密な文字数の定義はありませんが、百文字以内程度に収めるのが普通です。
ログラインを定めて常に頭の片隅に置いておくと、大筋を考えるときに役立ちます。
9)動機
キャラクターの行動には必ずと言っていいほど動機が必要です。たとえば、ただ街をぶらつくだけにしても、暇だからとか、何か事件や発見が起こらないかを期待してとかみたいな何らかの動機があります。
その動機が伏線なり描写なりセリフなりで事前に示されていないと、読者が置いてけぼりを食らったり、リアリティの欠如を生んだりして読者が離れる原因になりかねません。
したがってキャラクターの行動には、読者が理解できる動機をはっきりと明示しておかなくてはなりません。逆にあえて動機を隠し(動機が無いとは言っていません)、それを謎として追いかけるようなストーリーを考えると面白くなる場合があります。たとえば推理小説とか刑事ものとかが分かりやすいですが、異世界転生ものであっても敵役の行動を推理したりするストーリーが考えられます。
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