28:ゲームコラボ2-2
ブラックジャックで豪運を発揮した私と秋子さんは遊び対戦に収録されてゲームを探します。
「次は何がいいですかね?」
「次は運が介在しない完全実力なゲームをやってみますか?」
秋子さんが完全実力のゲームをやりたいと言ってきました。
「ですがそれは…」
「アリスさんが言いたい事はわかります。恐らく私じゃアリスさんの相手にならないくらいコテンパンにされるというのは、しかし私がやりたいんです。だから受けてくれますか?」
「……そこまで言われるとこちらとしても受けないなんて言えません。いいですよやりましょうか」
・まさかの展開
・ラスボスに挑む雰囲気あるなw
・ラスボスどころか裏ボスレベルなんだよなぁ
・なんなら裏ボスすら超えてる
・草
・世界が生み出した最強ロボット
「じゃあ最初は…リバーシでいいですか?」
「構いませんよ」
リバーシまたはオセロは言わずと知れたボードゲームの一つです。八×八の盤で行う戦略ゲームで、プレイヤーは自分の色の石を盤上に置き、相手の石を挟む事で自分の色を裏返しにしていき最終的に自分の色の石を多く取った方が勝ちと言うゲームです。
今回は私が先手(黒)、秋子さんが(白)後手となっております。
「まずは私の番ですね」
私が石を置くと次は秋子さんが置いていきます。そうしてお互いに石を置きあっていき現在私が秋子さんより石が少なく負けている状態です。
・秋子ちゃんが勝ってる…?
・これワンチャンあるか?
・頑張れ秋子ちゃん!
・アリスちゃん倒したらニュースになれるよ!
・アリスちゃん倒したらもうプロでしょ
「…なんか嫌な予感がします」
急に秋子さんがそんな事を呟きます。
「どうしたんですか?急に」
「なんかここまで順調すぎるのが怖いんですよ。アリスさんが私にこんなにポンポン石を取らせるとは考えられません」
「…流石ですね。ですがもう手遅れですよ」
私が石を置くと一気に黒へとひっくり返ります。そして秋子さんが置く場所が無いためパスとなりまた私の番へと移ります。私はもう一度石を置くとまた黒へと一気に変わりました。
・は?
・え?
・やば……
・あんだけ黒少なかったのに…
・アリスちゃんやばすぎて草も生えない
「私の勝ちですね。対戦ありがとうございました」
「…流石です。アリスちゃん」
「ありがとうございます」
「いつからこれを仕組んでいたんですか?」
「強いて言うなら最初からです。私は今回の遊び対戦を含めてそれなりに秋子さんの思考パターンなどを読めていましたから、あとはその思考パターンを読んで秋子さんを誘導したというわけです」
「AIってここまでの事が出来るんですか…?」
「こんなこと出来るのは現状私だけですよ。もしかしたら今後は私みたいなAIが出てくる可能性は否定できませんが」
「………」
・こっわw
・マジでヤバいやん…
・関わると思考回路読まれるってマ?
・これがまだアリスちゃんだからいいけど…
秋子さんもコメント欄の皆さんもドン引きしてますね。思考回路を読んで誘導していたなんて言われれば誰だってそうでしょう。
「でも秋子さんも凄かったですよ」
「本当ですか?」
「はい。最終局面とはいえ私の考えを当てたのですから」
「でもそれって…」
「普通の人ならそこまで気付かないんですよ。気付いたら負けてたってので終わりです」
「そうなんですかね…?」
「そうですよ。ですのでそこは自信を持ってください。あと私からアドバイスするとしたら私に挑む場合は最初から警戒して事を運んだ方がいいですよ。これは全てに言える事ですが、人は大抵物事を進める時、最初と最後は油断してしまいがちなので」
「はい。気を付けます」
「じゃあ今度は別のゲームをやりませんか?また運が絡むゲームで」
「じゃあテキサスポーカーなんてどうですか?」
「いいですね。やりましょう」
テキサスポーカーとは最初プレイヤーに二枚の手札が配られます。プレイヤーは自分の手札を見て降りるか勝負をするかを決められます。ちなみにディーラーは試合ごとに時計周りに回っていきます。そしてディーラーの右隣二名は強制的にチップをかけなければなりません。そして勝負する事になったら中央にカードが三枚表示されます。残ったプレイヤーはその三枚をみて自身が勝負に出るかどうかを決める事が出来ます。勝負となった場合は四枚目のカードが表示され、またプレイヤー側が勝負するかを決めます。そして最後の五枚目となり、自身の持っている二枚+中央にある五枚で役を揃えて役が強かった方の勝ちです。その役に関しては通常のポーカーと同じなので省略します。
「私がディーラースタートですね」
今回秋子さんがディーラースタートなので右隣に配置付けられてる私は強制的にチップを賭けます。
「CPUは降りた人一名他二名は勝負に出るようですね」
「うーん私も勝負に出ようかな」
ちなみに今回はCPU含めた五名で対戦してます。
「中央に出たカードは…」
「スペードのエースにハートの七、そしてダイヤのエースですね」
「この時点でワンペアが確定しています。そして誰かが七を持っていればツーペア、エースを持っていたらスリーカード…最悪の場合フルハウスだって考えられますね」
「この状況…私の手札的には降りるのが正解なのかなぁ…」
「私は勝負に出ましょうかね」
私はチップをさらに十枚かけて勝負に出ます。するとCPUは私の倍の二十賭けてきました。
「ここでCPU賭けるなら私は降りますね」
秋子さんはここで降りました。CPUが私の倍賭けしてきたという事は相当強い役だと読んだようです。
「ここは私も降りましょう」
私も降りる事にしました。残ったのはもう片方のCPUですがなんと勝負に出たようです。
「ここで勝負に出るという事はツーペアかスリーカード当たりなんでしょうか?」
「それは最後になればわかりますよ。秋子さん」
四枚目はクローバーの六です。
するとCPUがここでオールインしてきました。
・わお!
・マジか…
・CPUまさかのオールイン
・さあ乗るのかCPU
・CPU同士の熱い戦いで草
コメント欄と私たちが見守る中、残っていたCPUもまさかのオールインしてきました。
「えぇ…」
「なんでこんな戦いになってるんですかね?」
「そんなの私が知りたいですよ」
CPUが二人ともオールインしたためここで手札が全公開されます。最初にオールインしたCPUがハートのエースとハートの六で、応戦したCPUがハートの七とダイヤのクイーンです。
「これは…」
「最初にオールインしたCPUの勝ちですね例えここで七が出ようと役的に強いのは最初にオールインしたCPUなので」
五枚目のカードはスペードのキングで応戦したCPUがチップを全て失ってドボンしました。これで残り四名となります。
「最初にオールインしたCPUのチップがとんでもないですね」
「ですね。ここまでくればチップに枚数の差による暴力が出来そうです」
「まずは優先してあのCPUを潰しますか」
「そうしましょうか」
・共闘草
・ポーカーでまさかの共闘w
・ここにきて共闘マジ?
「共闘って程でもないですよ。お互いに手札を見せるとかの真似はしませんし、あくまで狙える時に優先的に狙うってくらいの認識でお願いしますね」
「チーミングはダメ、絶対」
・流石にかw
・まあそんな事しても楽しくないもんねw
・八百長ダメ絶対
さて先ほどのターン秋子さんがディーラーだったので今度は私がディーラーです。
「うーん…今回は最初から降りますね。私としては手札が弱すぎて泣きそうなので」
「私はまだなんとかなるレベルなので勝負ですかね」
秋子さんは手札が弱いという事なので早々に降り、私は勝負に出ました。CPUは二人とも勝負に出てきました。
「最初のカードはハートのキング、スペードのジャック、クローバーの九です」
「なんか数字の後半が揃ってるね」
「そうなると誰かしらストレートあたりが揃うかもですね」
私は手持ちの2/3ほど賭けます。
「相手が乗ってくれるとありがたいんですが……」
「結構なチップかけてるので難しいと思いますが…」
先ほどの試合を降りたCPUは降りましたが全賭けして勝ったCPUは乗ってきてくれました。
「まさかの乗ってきましたね」
「チップに余裕がるので私に合わせられるという事なんでしょうね」
「四枚目はクローバーのキングですね」
「これは美味しいですね」
「…そうですね。ここでワンペアが確定なので」
・……あ!
・アリスちゃんの手札!
・美味しいなんてレベルじゃなくて草
・勝っただろこれ
「え?なになにみんなどうしたんですか?」
「まあ配信してるのでバレますよね。実は今私の手札にあるのはダイヤとスペードのキングなんです」
「嘘!?」
・見たけどマジだった
・フォーカードやんけ
・つっよw
・相手がストレートフラッシュ以上じゃなければ勝ちw
・チップ全賭けしても良さそう
「ここでチップを賭けると確実に相手は降りるので少しだけ上げて搾取します。相手は自分の方が持っているから少しくらいなら大丈夫だろうと考えそうですから」
「アリスちゃんってこんな性格してましたか?もっと清楚でカッコいいキャラだと思ってましたが……」
・確かにw
・今のアリスちゃん結構ゲスい考えしてるよねw
・あえての泳がすアリスちゃん
・こwれwはwひwどwいw
・アリス「その気になってたお前の姿はお笑いだぜ」
・これは畜生AIですわw
「ボコボコに言い過ぎじゃありませんか?」
「気のせいですよ…」
「目を逸らしながら言われても説得力皆無なんですが」
なんて話してるうちに相手CPUも乗ってきて最後のカードが公開されます。最後はハートジャックでした。
「ここは賭けずに勝負ですね。しかし相手が乗ってきたら私も乗ります」
相手もチップを賭けず勝負です。そしてお互いの手札を公開しましたが、結果は見て分かる通り私の勝ちです。相手CPUはハートの九とスペードの九でした。
「なるほどスリーカードだから相手も私に乗ってきたというわけですか…。しかし私の方が一枚上手でしたね。では賭けたチップを頂きましょう」
オールインしたCPUのチップをゴッソリ頂きました。
「これによりオールインしたCPUのチップはスズメの涙程度とは言いませんがかなり少なくなりましたね」
「アリスちゃんが鬼行為したからですね」
「秋子さんは私のことをなんだと思ってるんですか?」
次は二戦とも降りたCPUがディーラーです。先ほど負けたCPUと秋子さんが強制チップ賭けになります。
「そろそろ私も勝負したいですしチップを賭けます」
秋子さんがチップを少し多めに出してチップを賭けます。
「私は今回手札が弱いので降り安定です」
今回の私の手札がハートの二とスペードの七というなんとも微妙な組み合わせだったので降りる事にしました。
「CPUは全賭けCPUが降りて降りてたCPUが勝負ですね」
そうしてプレイヤーの番が終わったので中央にあるカードが三枚公開されます。
「ダイヤのエースに、スペードの八、そしてダイヤのキングですか」
エースとキングがあるのでも手札によってはストレートを狙うのがいいかもしれませんが、外すとリスクが高いのでここは慎重にいきたいですね。
「ここはチップを賭けずに勝負です」
秋子さんはそのまま勝負CPUもチップは賭けていません。そして四枚目はダイヤの十です。
「……あ………え……?」
ダイヤの十を見た途端秋子さんがバグったような声を漏らします。これはもしかして……
「秋子さん…もしかしてロイヤルストレートフラッシュになりました……?」
「………うん……?」
・ふぇ…?
・え?
・マジ?
・………マジだ…
・ウソだろう!?
・配信画面見たけどマジだったぞ!!
・スクショ!スクショ!
・切り抜き急げ!!
「ここはオールインしてもいいですか?」
「逆にしない以外ないと思いますが…」
・それな!
・オールインダァ!
・いけえええええ!
・CPUさん乗ってください!!
コメントでもオールインするべきと言ってますね。これでCPUが乗ってくれたら……乗ってくれましたね。しかも二人とも絶対乗らないと思っていたので正直意外です。
・CPUさん!?
・CPUさんありがとう!
・さぁCPUを叩き潰せ!
夏海
・いっけぇ!秋子ちゃん!
・夏海ちゃん!?
・まさかの同期がいるの草
・草
全員がオールインしたのでここで手札が公開されます。全賭けCPUがスペードのエースとハートのキングで前二戦降りたCPUがハートの八とハートのエースです。そして最後のカードはスペードのキングです。しかし相手がどう揃っていようと…。
「私の勝ちですね」
ロイヤルストレートフラッシュの秋子さんに勝ち目は0。普通のポーカーなら引き分けの可能性はあるにしろこれはテキサスポーカーなので絶対に有り得ません。そうしてCPUを二人とも脱落させた秋子さんなのでした。
「最終チップ枚数的には勝ってるはずなのにすごい負けた気分です」
「なんか凄いことになっちゃいましたからね…」
「ロイヤルストレートフラッシュの確率って約0.000153%ですからね?」
「それってどれくらい凄いんですか?」
「スクラッチ系の宝くじで一等当てるのとさほど大差ないレベルですね」
「……ここでそんな豪運使うのなら宝くじ当てたかったです」
「…配信的には大成功なので……」
・そうだぞ!
・いまSNSでめちゃくちゃバズってるw
・先のブラックジャックの件も合わさってめっちゃバズってるし、関連ワードもトレンド上位独占してるw
・今回のは有り得ないくらいの神回だったよなぁw
・ガチで神回だったわw
・切り抜き絶対されまくるんだろうなw
「配信でここまでバズれたなら宝くじで当たるよりいいですかね?」
「いいに決まってますよ」
「ありがとうございます。長く遊んじゃいましたし、そろそろ終わりましょうか」
「そうですね。それではみなさん乙アリス〜」
「お疲れ様でした〜」
・乙アリス〜
・乙です
・今回マジで面白かった
・それな
・神回すぎたわ
・秋子ちゃんには今後も豪運発揮してほしい
・それな
・秋子ちゃんのガチャ配信待ってます
ここまで読んでくださりありがとうございました。実力ゲーのオセロは文才のない私には表現が難しくダイジェストみたいになってしまいました。もっと表現力や文才が欲しいと思うこの頃ですがこんな私でも星評価やフォロー、応援を下さると励みになるのでよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます