第9話

いつもと違う彼女に違和感を感じたのはその日だけでは無かった。


むしろその日から異変が起こっていたのだ。


彼女と全く連絡が取れなくなった。


どんなにメッセージを送っても電話をかけても、彼女に繋がる気配がない。


ようやく大学にいる彼女の友達に居所を尋ねたのは、音信不通になってから1ヶ月が経った頃だった。



「留学行くって聞いてない?」


「は?」



初めて聞くそれに、何もいってくれなかった彼女に対して怒りが芽生えた。


それと同時に、言わなかったのではなく言えなくなったのだと気づいたのだった。

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