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    第9話 写真館への応援コメント


    通して拝読しました。いつもながら一つ一つのシーンの描写が精緻で、小道具とか露光とかカメラアングルに凝りまくったショートムービーのような趣がありますね。今なお昔ながらの暮らしぶりがキープされている山中の小さな町の風景も、よく活写されていると思います。

    ただ、今回はいつになくドラマ部分が弱い印象を受けました。もしかしたら今回はマンガ原作コンテストへの参加を特に意識して書かれた結果なのかなとも思いますが、この長さでこのキャラ数はいささか過剰だと思います。本来なら、訪ねて回る物件それぞれにましろが数日なり数週間なり滞在し、それぞれでちょっとした事件を経験しつつ妖たちとも友誼を結んでいき、最後の写真館の話で大団円、という構成になるべきなのでしょうけれど、本作だと顔見せ程度のシーンを重ねただけで一気にクライマックスへ突き進んでるので、唐突感は免れません。これはやはり、キャラ数をぐっと限定するか、長編近くに拡大するか、どちらかでしょう。

    出てくるキャラがみんな「いい人」ばかりなのも起伏の物足りなさにつながっているかと。不動産屋以外みんなイケズだったら、この長さでもある程度のドラマになったかもですね。ただ、そうなると最後の話でましろに協力する理由が妖たちにはなくなるので、一方的な好意で話をまとめるのではなく、協力せざるを得ないような事情が発生して、一時的にましろがまとめ役になり、結果的にましろの昔の約束も果たせた、という形にするとかでしょうか。

    キャラと言えば、最初に出てくるおこんさんが存在感あり過ぎで、完全に主人公を食ってしまってる印象もあります w。ましろ、地味ですしね……。いっそおこんさん視点で、「グズだけどほっとけない」ましろをぐいぐい引っ張っていくバディものにスリムダウンしたら……と、これは出すぎた言い方になりますが、多分それぐらいのキャラ構成でドラマを膨らませる方向が短編としてはまとまると思います。

    箇条書きの総論だけだと無責任な言い方のような気がして、ついつい踏み込んだ改案に触れてしまいました。尊大な物言い、ご容赦ください。

    ましろが最後まで姿を見せないまま、それでも青年がましろの目の前で昔の約束に思いを馳せる、というシーンはとてもいいなと思いました。ぜひこのシーンが最高にエモい形に仕上がるよう、もうひとねばりしていただけたらと願う次第です。

    作者からの返信

    湾多珠巳様
    読んでいただき、また、丁寧なコメントをいただきありがとうございました。
    今回は、コンテストの枠組みもあったのですが、多数の登場人物のそれぞれの動きが最後にまとまってという構成のものが書きたくてこうしたお話になりました。まとめてはみたものの、登場人物の行動や葛藤はまだまだ書き込みできそうな気がしています。行動を掘り込んでこそ魅力を表現できそうですので。ご指摘を参考にさせていただきます。ありがとうございました。