第14話

教室からゆっくり離れた。

そして、待つって約束した場所に戻った。




何なの?

分かんないけど嫌だよ。


私が盗み聞きしなければ、知らなくて済んだこと?


モヤモヤする。






「江美、堪忍なっ;」


翔太が走って戻ってきた。



「ううん、大丈夫

行こっか」


おかしいな。

素っ気無い態度になってる。




「何かあったんか?」



翔太に見つめられた途端、盗み聞きしたことがバレる気がして焦った。


「何で、そう思うの?」


なんとか平静を装う。




「何となく

勘や」



勘、か。


「気のせいだよ」


絶対に引きつってる;




「江美...「翔太、汗かいてるね

使って、タオル」

おおきに」



何か言いたそうだったけど、私が遮った。




こんな気持ちで渡したくなかったな。

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