〈18〉兄の届け物

夜更かししたけど翌朝なんとか目を覚まして、身支度をして朝食を食べに出た。

簡単なお味噌汁と選べるおにぎりのセット。

眠たい顔で食べて、特に話をしているわけじゃないのにお互いにチラチラ見ては笑い合う。


会社まで歩いていると、少し先に見慣れた車が!!「お兄ちゃんが来てる!」

柘人たくと先輩を物陰に追いやり、私だけ近寄った。


「やっと来たか。帰ったら説教だぞ」とキョロキョロと周りを見渡し、紙袋を渡してきた。中には着替えと、出来たてのあったかいお弁当もあった。

「ありがとう。お兄ちゃん大好き」

(だいたいこれで許してくれる)

「調子いいな」と、窓越しに手を振って去っていった。


迂回して先に出社した柘人先輩からLINEが来てた。

「相変わらずイケメン兄ちゃんだな」


その日は残業もそこそこで自宅に帰った。

(柘人先輩がほとんど手伝ってくれた)

すると父母がニヤニヤして、「彼氏出来たって?今度家に連れてきたら?」だって。

否定せず、「お兄ちゃんが心配」と言うと、「本当にね」「別の意味でも」と、2人でうなずきあっている。


その事を柘人先輩に報告して「おやすみなさい」と言って早めに寝た。

週末はもちろんデートの予定。

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