☆ついに・・・折れた☆

第30話

「課長の事・・・本当は・・・

ずっと前から・・好きだった・・・の。」


私は、小さな、小さな声で言った。


「えっ?・・・香鈴さん?

それは、ホント?」


課長ったら、聞き返さないでよ。

私は、そっぽを向いた。


課長は、そっぽを向いた私に、

覆いかぶさる様に、ギュって抱いて言った。


「香鈴さん、耳まで、真っ赤だよ。

でも、嬉しいよ、俺。香鈴さんの口から、

好きって聞けるなんて。」


赤いのは、熱出しているからでしょ?

勘違いしないでよ?課長。


「でも・・・好きの重さがよく解らない。

恋愛が怖いのも、まだ、拭えない。

過去も、完全に終わってない。

課長が、誰かのものになるのはイヤだけど、

課長と、恋仲になれる自信が今はない。

それでもいい?そんな私でいいの?」


私は、揺れる心の想いを打ち明けた。


「俺は、香鈴さんが良いんだ。

ずっとそう言っているだろ?」


そうだね、

結城さんは、昔からブレていない。


「・・ん。ありがと。」

「ねぇ、ゆっくりでいいから、

本当の香鈴さんを、俺に見せて欲しい。」


そんな、優しい言葉を聞いたら、

私、結城さんに、甘えちゃうよ?


「私、めんどくさい女だよ?大丈夫?」

「知ってるよ、今更だろ?」


そっか、そんな私を、知っているんだ。


「ん。流されてみようかな。

課長のペースに。」

「俺の、ペースは速いよ?付いて来れる?」


それは、困るかなぁ・・・


「あ・・・お友達から?・・・で」

「えぇ??それはないよ、香鈴さん。」


まぁ、私もそれは・・・嫌・・・かな。


「私のペースで・・・どうですか?」

「それは、嫌だ。

俺、今すぐ香鈴さんが、欲しい。

まぁ、今日は、無理だろけど。」

「課長って。せっかちなんですね。」


私は、久しぶりに、課長に笑顔を向けた。


「まずはさぁ、

その『課長』と『です、ます』を、

止めない?」

「そのうちね。課長。」


タメ口で、課長と言ってみる。


「意地悪だね、香鈴さん。」

「課長のほうが、意地悪です・・だよ。」

「可愛いね、香鈴さん。

俺、今日は、とても嬉しいよ。」


そう言うと、課長は、

私に、そっとキスをした。


「もう、寝なよ。おやすみ、香鈴さん。」


課長は、立ち上がって、

電気を消してから、部屋を出た。


心地よい眠りについたのは久しぶり。

課長のおかげかな・・・


明日は、課長じゃなくて、

結城さんって呼んでも、いいかなぁ・・・



               END

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