20250413

愛憎相半ばする


愛と憎しみがどうして対概念なのだろうと

思っていたティーン時代

その意味を半世紀近く経ってようやく実感する


後者に準ずる人間がこの世から去ると

ドラマや漫画では快哉のカタルシスを得ていた

現実は違った


憎む相手がいなくなることの喪失の方が

自分の真っ当さを担保する存在が消えるという点で

個人の自立とやらをより困難にさせる


不安定が常態となって長くなると

涙も出ず

焼き場へも向かうも今生の縁のおさめどきと

素直に思えるようになる

愛憎は紙一重の同じものだとつくづく感じる

時間は人を癒す薬ではない

恨みつらみを風化もさせない

ただ固化したものが

心の奥底の片隅に居座るだけだ

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