the new reich
ヴィル
第1話 二つの刃
第一話二つの刃
今私たちは危機的な状況に陥っている。
私たちは太陽の王家暗殺を企て、実行した、しかし反乱軍の内部には裏切り者がいた……
裏切り者の密告により私たちは作戦開始後すぐというほど早くに正面と背後の挟撃に会い壊滅、全国各地の反乱軍の基地も襲撃を受け部隊長はかろうじて生きているようだが、基地は完全に機能を停止した。
今まさに我々は生と死の狭間に立たされている。それはここにいるすべての人が認知している。
空すらもそれを認知しているのか、私たちを助けるかのように濃霧が辺りを覆い、馬車の音を掻き消すように豪雨が降っていた。
リナ「…まだ、まだ立て直せる」
モブO「こんな状況で!?軍は壊滅して、残ったのは反乱軍の癖して戦えない馬車引きとリナ様とこの近衛兵一人こんな状況から立て直す!?」
レイ「少し黙ってろ!リナ様が…信頼していたブレイブ大佐が……大佐が裏切ったんだぞ!その理由もわからない!私たちは失ったものが多すぎる、リナ様の御心にも多大なる過重がかかってるんだぞ…少し黙ってくれ。」
リナ 「レイ、冷静さを失うな。らしくない。確かにブレイブは裏切ったんだ、だが私たちはまだ死んでいないそれに君たちはついてきてくれたそれだけで十分だ。」
レイ「しかしだ、なぜ大佐は裏切ったんだ……。」
モブo「お金のためか、元々敵側だったのかもしれない………。
けれどそれより今更生きてたって、すぐ追っ手がくる!もう家族にも会えないのよ!この後どうするのよ!」
リナ「………あそこなら…このまま行った先にある極南の小さな島あそこは封印された邪神が眠っている。あそこなら誰も行きたがらない。」
レイ 「…そこに行くとして…これからどうするか…考えましょう。」
リナ「そうだなレイ」
モブO「ええ、わかってるわ」
リナ「ここで終わるわけにはいかない。」
レイ「王家暗殺には失敗したけれど私たちはまだ生きている。」
リナ「死んでいった同志たちの命が報われるまで、私たちは歩みを止めてはならない、新たな時代はまだ先なのだから。」
レイ「しかし、もう後がない、まずは息を潜めておくべきだ。」
モブO「そうね、それが安全ね。」
リナ「……馬車引き一回止まってくれ!」
馬車引き「リナ様どうかしましたか…?」
リナ「魔力探知が地面の下に大空洞を見つけた、この先は地盤も脆いこのまま行けば私たちは真っ逆さまだ」
馬車引き「一度引き返します?」
リナ「それが安全だろう。」
レイ「…今日が豪雨と濃霧が立ち込める悪天候で良かったですね。
私たちの姿は敵には視認されません。」
リナ「けれど、雷も鳴っていて少し怖いな」
レイ「まぁ、リナ様は魔力探知も相まってそこら辺敏感ですし、無理もありませんよ。」
そんな話をしていた時、
ゴロゴロゴロ、ドゴンッ。
大きな雷鳴がすぐ近くで鳴り響いた。
馬車引き「おい!止まれ!落ち着け!」
リナ「どうした」
馬車引き「今ので馬が驚いて……ってそっちは‼︎」
リナ「全員衝撃に備えろ‼︎」
レイ「リナ様!」
刹那地面が崩壊する音と同時に壁に叩きつけられた、
リナ「おい!!どうなってる⁉︎」
レイ「少し……我慢していてください。」
リナ様を守りながら体勢を維持し衝撃に備えて。
数秒もした時地面に激突した。
レイ「リナ様…お怪我はありませんか?」
リナ「大丈夫だ…他2人はどうだ……?」
レイ「馬車引きは外で馬を引いていたんだ。Oの方は、落ちる時に外に投げ出された……いっそ楽にしてあげましょう。太陽の理の元では全身が砕けようとも、腹を貫かれようとも死ねないのですから」
リナ「…すまない、私の力が及ばないばかりに……」
レイ「行きましょうレナ様、まだ止まってはなりません。」
リナ「ぁあ…そうだな。」
レイ「お辛いと思いますが……」
リナ「私は大丈夫だ。」
レイ「リナ様……」
私は何も言えなかった、何万という同志が死と同義の状態へとなり、同志を2人今殺した、それでも大丈夫だと言い続けている…。
辛いだろう、今優しく抱きしめて
泣いてもいいんだよ、と言ってあげたい、しかしそれはできない。
血も涙も心さえも枯らして、進まなければならない。
リナ「レイ……前方から4体の飛行タイプの魔物が魔力探知に引っかかった。」
レイ「…リナ様は休んでいてください、私がやります。」
リナ「君だけには任せないよ。」
レイ「……そうですか、」
????「グォォォォォォォ」
リナ「空馬の貴族たちか…随分嫌な奴が出てきたもんだ。」
レイ「ですね。」
私は拳を握る。
剣はもうない。
やつらを拳で倒す……それを考えるだけでも気分が悪くなりそうだ。
やつらの一体がこちらに向かって突進を仕掛ける。一体の突進が当たるギリギリで私は地を蹴り突進を避ける。攻撃に警戒したのかやつは急上昇し避けようとするが……私はそれを冷静に見透かし裏拳を叩き込む。
奴は裏拳がモロに入ったようでその体ごと吹っ飛ぶ。
地面に着地し ふぅ、と息を吐くと私はリナ様の方を見た。
2体が攻撃を仕掛けようとしていたが、無意味だろう。私の方へ向かってきたもう一体に私は目を向ける。
突進をするのかと思いきや、急旋回し私が隙を晒すのを待っている。
慎重だな。
そう思い、私はリナ様の方へ目を向ける。詠唱が終わったようで魔術を放つ準備をしている様子だった。
しかし…この選択が間違いだった。
「ッッ……」
左腕に電撃が走った。
見なくてもわかる攻撃されたのだ。リナ様の方を見ているうちに音もなく私の左腕を切り裂いた。
私はそいつの方を向く。
私の利き手は左だ。どこまでいっても右の何倍も使い勝手が良い。
逆にいえば右の使い勝手は10分の1にもならないだろう。
そんな時取る行動は一つだ。
リナ様が魔術を放つ直前に私は奴がその射程内に入るよう誘導した。
リナ様もそれに気付いたのか、範囲に奴が入った時に魔術を放つ。
マイナスの温度というのもぬるいぐらい極寒の寒さを放つ魔術を空馬の貴族たちはくらい動きを止めた。
レイ「体……訛ったみたいです。」
リナ「ガタが来ただけだろ。挟撃から私を守りながら一日中寝ずに馬車で座り続けてたんだから」
レイ「……それより……やつら地域ボスだったようですね。」
リナ「そのようだな、ボスコインが落ちた。」
ボスコイン…地域ボスまたは区画ボスなどボス格を倒すことで手に入る特別なコイン売ることで多額の金を得ることも特別な武器を手に入れることもできるアイテムだが
レイ「…私たちには無用の長物ですね。」
リナ「お尋ね者だからな、誰も買い取ってくれないし、武器にすることもできない。」
レイ「リナ様は武器使いませんし…私もボス武器は使いませんから売るぐらいしか用途ありませんけどね。」
リナ「それもそうだな。」
レイ「…急ぎましょう。ここに長く居座りすぎました。」
リナ「そうだな、幸い出口はすぐそこだ。さっさと極南の島へ行こう。」
二十分後
レイ「……誰かいません?」
リナ「…2人だが……武装している軍人のようには見えない。どちらかというと商人だな。」
レイ「人と会うのは得策ではありません、今は相手がいなくなるまで息をひそめましょう。」
リナ「そうだな。」
??「…そこにいるお二方は私に何か用でしょうか?」
リナ「バレたな、ずいぶんとできるぞあいつは」
作戦開始から2日私たちは様々な苦難に直面した。
ブレイブ大佐の裏切りに始まり、反乱軍の壊滅、レイとリナ以外の仲間の死亡、空馬の貴族たち(飛行タイプの魔物)との戦闘を経て
商人リサとの会合という一点に終着した。私たちはこれからどうなるのだろうか。
しかし、ここで止まるわけにはいかない。魔法と剣二つの刃をもって、あらたな世界( the new reich)ができるまで
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