第16話 エーデルフェルト第2王子

3日間の旅程を終え、僕たちは帝国の王都“ペリアル”に辿り着いた。そのまま王城へと向かい門番の兵士に取り次ぐ。


先触れを出していた事もあり、スムーズに皇帝との謁見が許された。


「遠路はるばるよくぞ来てくれたな。アインシュトラール王子に騎士メアウス殿」

「こちらこそお会い出来て光栄です、シュナイダー皇帝陛下」

『御身にお会い出来て恐悦至極にございます』

「ふふ、堅苦しい挨拶はその辺でよかろう。早速本題に入ろうか。実は我が息子のエーデルフェルト第2王子の婚約者として、貴国のヴェスタ王女を迎えたいと考えているのだ」

「えっ…?い、いえ失礼しました。妹を、ですか…」

「貴殿が戸惑うのも無理はなかろう。しかし両国の結び付きを今後強化していくためにも、是非この婚姻を進めたいと考えておる」


…普段の僕あればこの政略結婚の可能性も予測出来ただろう。しかし大事な妹の事のため、考えが及んでいなかったみたいだ。


「…かしこまりました。持ち帰って国王と協議したいと思います。それから我々が滞在している間にエーデルフェルト王子とお話させていただく機会を設けていただけないでしょうか?」

「ふむ、それは最もよな。元々貴殿らの滞在中の世話役をエーデルに任せるつもりであった。良い返事を期待しておるぞ?」

「はっ…なるべく良いご返事が出来るように致します」

「メアウス殿も武闘大会での活躍を期待しておる。王国最強の“白銀の乙女”の評判は帝国にも届いているのでな」

『ははっ!ご期待に沿えるよう全力で挑ませていただきます』

「うむ、楽しみにしておるぞ。それではエーデルよ、客人にくれぐれも失礼が無いようにな」

「かしこまりした、父上」


王座のある謁見の間を後にし、エーデルフェルト王子の案内に従って貴賓用の客室へと案内される。お付きの騎士や使用人たちもそれぞれ部屋を用意されていた。


「アインシュトラール王子殿下、メアウス侯爵令嬢。改めてエーデルフェルト・ウル・ジークと申します。どうか気軽にエーデルとお呼びください」

「よろしく、エーデル王子。ここには僕たちだけしか居ないし、少し崩しても大丈夫かな?」

「ははは、勿論です。その方がお互いに腹を割って話せそうですしね」

『…内密な話であれば、私も席を外していた方がよろしいでしょうか?』

「いえ、メアウス様もいていただければと。武闘大会についてもお話しておきたい事がありますので」

『…分かりました』


僕は気をしっかりと引き締め、エーデル王子の話を聞く事にした。妹のこともあるけど、武闘大会にも何か不穏な動きがあるならメアに関わってくるしね。


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