お嬢様のとなり
魅河アキラ
おやつ
小腹がすいてしまった…トナリに何か作ってもらおう。
「ねえトナリ」
「なんでしょうお嬢様。」
「あたし小腹がすいたの、なにかおやつでも作ってくれない?」
「ぽたぽた焼と南部せんべいと雪の宿とかっぱえびせんがありますがどれになさいますか?」
「既製品じゃない!それに全部せんべいだし!」
「あ、黒胡椒せんべいもあっぺよ」
「目当てのせんべいが無かったから言ってるんじゃないのよ!」
トナリに頼んだあたしが悪かったかもしれない。それよりあたしはそんなにせんべい好きに見えるの?
「見えますよ、お嬢様はせんべいの顔です」
「心を覗かないでよ!あとせんべいの顔って何!?せめてせんべい好きの顔って言ってよ!」
「だらせんべい好きの顔をされています」
「嫌!嬉しくない!」
「だらお嬢様は何が食べたいのや?和菓子か洋菓子かくらい言ってくれてもいいべ」
あ、岩手弁だ。めんどくさくなってきてるな?
「そうね…軽くつまめるようなものがいいわ、和菓子だと嬉しいわね」
「軽くつまめて和菓子となると…せんべいだなや」
「とりあえずせんべいから離れて頂戴!」
「だらお団子やどら焼きはいかがでしょう」
「どら焼きいいわね、どら焼きを頂戴。あ、あんこは絶対に粒あんね、もし間違えてこしあんのを持ってきたらトナリをこしあんにするから」
「こしあん!?私がこしあんに?怖いこと言わないでください!」
「じゃ、お願いね」
「それではお嬢様、お支度を」
「え?支度って何よ」
「どら焼きを買いに行くんですよ」
「ついて来いって言うの?トナリが一人で行って来てよ」
「いえ、ロジャースまで買いに行くので観光したいかなと」
「ロジャースって…埼玉?その辺のスーパーでいいじゃない」
「嫌ですよ!ロジャースのロジャ美を見たいんですから!この前テレビでやってた安いスーパー特集で一目惚れしたんです…」
「ロジャ美…?…なにこれ!トナリってこんな、こんな…一昔前の同人誌みたいな絵柄が好きなの!?」
「あ、突っ込むところそこなんですね…胸がでかいってところを突っ込まれるかと…」
「あたしは胸より尻派だから」
「お嬢様の癖はどうでもいいです…粒あんですね?買ってきますから」
「ロジャースまで行くの!?」
「行きませんよボケです今のは!」
「分っかりずらいボケね!もう!なんかせんべいの気分になってきた…やっぱり南部せんべい頂戴」
「今までのやり取りは何だったんですか!」
「いいから頂戴!ピーナッツのね!」
「あ、お嬢様と話してる間に全部食べてしまいました」
「トナリのバカ!!」
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