TS転生魔法武器使いが幼馴染と一緒にダンジョン探索する!
天星 水星
第1話
これまでの出来事を三行で説明するよ!
死んだら念願のTS転生をした
転生した先は現代っぽいけどダンジョンが生えてる世界!?
幼馴染の少女、
「そんなわけで楽しみだね、花音ちゃん!」
「いったいどんなわけよ……まあ楽しみなのはわかるわ」
今日は待ちに待ったダンジョン探索者デビューの日だ。この黒髪ロングのパーフェクト美少女星乃ちゃんと同じく赤髪ロングのパーフェクト美少女花音ちゃんがデビューするからか、天気も快晴だしね!
「星乃は緊張……してるわけないわね」
「そりゃそうだよ。逆に花音ちゃんはするの?」
「そうね。いくら学校の成績が良いほど良いジョブが得られるわけでも、万が一があるじゃない? もしかしたらと思うとね」
この世界では幼い頃からいろいろな勉強をする。武術から農業、生産職などの勉強をすることで適正にあったジョブが出現して選ぶことができ、それぞれのジョブに合った仕事をする。
基本的に多くて人気なのはダンジョン探索者で、ダンジョンの中から資源を採ってくるのが仕事だ。そしてダンジョンで採れるものの量で国力が決まると言ってもいい。農業とかは基本的に高級品で、一般人はダンジョンから採ってきた食品を食べることが多いから。だからダンジョン探索者は必須の職業で、我が日の国の人口を支える大事な職業だ。
「まあなるようになるよ」
「あんたねぇ……。まあ星乃は昔から緊張とかとは無縁だったわね」
「花音ちゃんは緊張するの?」
「そうね。いくら成績が良かったとしても、万が一があるじゃない? もしかしたらと思うもの」
ふーん。たしかによく見ればちょっと顔色も悪いね。
「大丈夫大丈夫! なんとかなるよ!」
「はぁ、まったく。でもたしかにそうよね。よし! 私も覚悟を決めるわ!」
「それでこそ花音ちゃん!」
よし、ちょっとは顔色も元に戻ったかな。あのまま緊張で倒れる、なんてことはないだろうけどもしかすると出たジョブによっては倒れちゃうかもしれないしね。何とかなってよかった。
「ふんふーん、何のジョブが選べるかなあ」
「本当お気楽でなによりね」
「何か言った?」
「何も」
そうやってじゃれ合っていると、探索者協会についた。あらかじめ学校で習っているルールやマナーについての講習を受ける。その間も他の受験者と一緒に受けたが、相変わらずジロジロと見られた。まあ美少女で、しかも仲のいい二人がセットのハイパー美少女モードなら見られても仕方ない、感謝してよね!
そんな馬鹿なことを考えている間に講習は終わり、ジョブの取得に移っていく。
「それではジョブの取得のために、1層のスライムを倒してもらいます」
1層のスライムはノロノロと動きが遅い上に、跳びかかりしか攻撃方法が無い。だからこういうジョブ取得のためのモンスターにぴったりだ。
この時に使う武器によってジョブが変わる、なんてことはないから安全な遠くから攻撃できる槍を使う。
そうして準備を終えて、花音ちゃんの方を見るとまた顔色が悪くなっていた。花音ちゃんは優秀なのに、本番に弱いところが可愛いよね!
「花音ちゃん、間違ってもスライムを1発で倒したりしないでよね!」
「ばかっできるわけないでしょ!」
とりあえずじゃれ合っておくことで気をそらす。そうしている間にもいくつかのグループがダンジョンに入っては出てきた。このあとはジョブを選んで解散かな?
「ほらほら花音ちゃん、私たちの番だよ!」
「誰のせいよ!?」
「私のせいだね!」
そう答えるとなぜかかっくしと肩を落とした。まあふざけるのはここまでかな。いくら弱いスライムだとしてもふざけるわけにはいかない。
私の本気を感じたのか花音ちゃんも口を閉ざす。うん、これなら大丈夫そう。
そうしてダンジョンの中に入ると、これぞダンジョンと言わんばかりの石造りの通路が出迎えた。そして勉強通りに光が無くても見える。
「それじゃあ進もうか」
「そうね」
声をかけてから進むとすぐにスライムを見つけた。教科書通りの姿で、ドロドロとした体の中心にコアがある。
「せいっ」
「ふっ」
これまでの練習通りに、槍をコア目がけて突き刺す。といってもこの一撃では倒れないので何度も突き刺す。
花音ちゃんの調子も良く、すぐにスライムは倒れて魔石へと姿を変えた。
「いやースライムは強敵でしたねー」
「どこがよどこが。一方的だったでしょ」
「お約束ってやつだよー」
そんな軽口を叩きながらスライムの魔石を回収する。この魔石のエネルギーでインフラなんかを支えている重要な資源だ。といってもスライム程度の魔石だと10円にしかならない。弱い分魔石も小さいのだ。
「それじゃあダンジョン出よっか」
「そうね、そしたらお待ちかねの」
「「ジョブ選び!」」
こうして意気揚々とダンジョンを出ていくのだった。
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