マジカルの5☆かわいさも強さも人気の秘訣
〜語り手 しの〜
「ちゃんと魔法少女として活躍できてるんだもん。
とってもすごいよ」
「キャルは活躍してるよ〜♪」
「どんだけ胸張るある。
倒れるあるよ?
倒れたある!」
「うひょ〜♪」
「褒めてくれてありがとある、しの。
だけどキャルは調子乗りすぎある!
今日だって危なかったある!」
「うへへ〜。
拳法少女のりんちゃんがいるから大丈夫だよ〜」
「キャルのメインの魔法はサポートなんだからあんまり前に出すぎちゃだめある」
「キャルちゃんはボンボン少女だもんね」
「二人とも変身したままで疲れない?」
「「全然大丈夫(ある)」」
「キャルは可愛いままでいたいよ〜♪」
「うちはこっちの方が気合が入るある」
キャルはフィンランド出身のパパがいるミックスなボンボン少女。
魔法少女のコスチュームはスポーツ選手を応援するチアガールな魔法少女だったりする。
お腹と肩が丸出しのベストにおしりが見えるくらいのララスカート。
もちろん下はアンダースコート。
大きな胸にはMagical Fightの文字が横に広がっている。
腰につけた二つのキラキラ輝くボンボンを手にもってフレっフレのポーズをしてくれた。
りんは中国出身の拳法少女。
魔法少女のコスチュームは中国拳法と暗器が達人な魔法少女。
髪をお団子にしつつ腰まで伸びた髪が艶やか。
こちらも肩出しで大胆なスリットが入ったとっても中華なチャイナ服魔法少女のコスチュームがかわいい。
両耳には陰陽を形どった白と黒のピアスがそれぞれ。
戦うときに使うと三節棍や流星錘とかに変形して戦う。
「うん! やっぱり魔法少女はかわいくないとね!
ゆのは魔法装甲をずっと装備してるわけにはいかないけど、魔法少女の格好のままでもいいのにね?」
「普段着でおしゃれもしたいも〜ん」
「それは確かにそうかも。
ねえねえ。今日倒した悪魔はどんなだったの?」
「とっても可愛かったよ〜」
「うん。あれは卑怯だたある」
「「かわいいの?」」
「一番人気のご当地ゆるキャラに悪魔が憑いてたある」
「りんちゃん、かわいいの好きだから殴れなくて困ってたんだよね〜」
「ごめんなさいある!
どうしてもかわいくてかわいくて!」
「だからキャルが代わりに、恋の応援ボンボンラブハリケーンで攻撃したんだよ〜」
「確かにダメージ与えてたけど、そのせいでゆるキャラ強くなってたある!」
「あれ〜?って思ったよ〜。
キャルの攻撃は応援にもなってた〜♪」
「でもあいつ、着ぐるみだたある?
あいつの攻撃もふわふわであんまり痛くなかたあるよ」
「りんちゃん、逆によろこんでたよね〜?」
「そんなんでどうやって倒したの?
やっぱり巨大化してた?」
「もちろんだよ〜♪
巨大化って結構多いよね〜♪」
「でっかい背中のチャック、開けやすかたよ。
中にあった黒十字架を殴ったら倒せたある」
「やっぱり中身が弱点だったね〜♪
ほらこれ見て〜♪」
ポケットのモニネコを取り出してタップするキャル。
モニネコとはモバイルニューロンネットワークコンピュータ。
通信、SNS、3D録画、公の手続き、そのほか必要なアプリケーションをインストールすれば大抵のことができる、みんなが持っていて当たり前の機械。
AIネコのモニちゃんがみんなのアイドル。
「作戦司令部の撮影班がドローンで撮影してくれたある。
……こうやって自分の戦う姿を見るのは恥ずかしいある〜!」
「あはは〜♪
キャルのスカートの中が丸見え〜!
見せパンだからいいけど〜♪
ファンがまた増えちゃいそ〜♪」
「都道府県魔法少女人気ランキングなんてあるもんね。
1位はダントツでゆのだけど。
キャルちゃんは130番台だっけ?」
「そうなの〜。
りんちゃんは50番くらいなのに〜」
「うちはなんでそんなに人気があるか分かんないある?」
「そのチャイナ服のセクシーなスリットだと思うなあ」
「うんうん。しのっちの言うとおり。
チャイナってなんかやらしいよね」
「やらしくはないあるよ!?
めくったらダメある!」
「ほらほら〜。
こんな感じ〜」
モニネコから投影された3D動画をわたしたちに見せてくれる。
『……我が発する言の葉は 我が力へと昇華するものなり
聖なる大地よ 星の魂よ 我が拳に宿りて 我が魔法力と成せ!
聖星天崩拳!』
チャックが開いた着ぐるみの背中に、りんちゃんのキラキラエフェクトが輝く必殺パンチが炸裂して黒十字架が粉々に砕けてた。
チャイナ服のスリットから生足をのぞかせながら。
「こういう倒し方もありなんだ」
「うちの勇姿を妹好きのアニキにも見せてあげたかったある」
「キャルもお姉ちゃんに見て欲しかった〜」
「「ね〜」」
二人とも大事な家族を亡くしてる。
「わたしが!
わたしがいつもみんなを見てるから!
一番に応援してるから!」
「「「しの(っち)〜!」」」
「それにしてもみんなそれぞれの国の言葉で話してるのに理解できるって不思議だね〜」
「いまさらある?」
「だってやっぱり不思議だし〜」
「あの日から世界中の言葉が理解できるようになったんだよね?」
「マジカルなことが起きたってことでいいんじゃない?」
「それともあの天使みたいな人がそういう風にしたのかな?」
「しのっちもやっぱり天使にあったの〜?
天使に会った女の子はみんな魔法少女になってるよね〜」
「じゃあなんで魔法少女やてないある?」
「へへ。だってなんの魔法力もないしね?
きっとわたしは必要ないんだよ。
みんながいるからね!」
「必要ないなんてことないよ!
わたしのしのっちがいなかったら、わたしダメになっちゃうよ!」
「うん。それはそう。
ゆのはわたしがいないとだめだめだ。
もうだめだめ魔法少女だ。
だめだめ女の子だ」
「そこまで言われるとなんかへこむ」
「へへ〜」
「いけない。
話してばっかいないでご飯食べよう。
みんないつ出撃あるか分かんないし、わたしも次のお仕事に行かなきゃ」
「りんちゃん、これあげる〜♪」
「にんじん食べないとダメある。
代わりに玉ねぎあげるある」
「二人とも苦手なのあるんだね」
「ちゃんとお食べ!
じゃないと晩飯抜きにするよ!
しのは勘弁してやる!」
厨房からほずみ姉ぇの厳しい声が飛んでくる。
「「「「は〜い」」」」
「聞こえてたね」
「地獄耳だね」
「早く彼ピ見つければいいのに〜」
「あの勝ち気な性格じゃみんな逃げるある」
「りんは夕飯抜きな」
厨房から殺気のこもった声が聞こえる。
「はわ!? ごめんなさいある〜!」
「地獄耳って言ったばかりなのに〜♪」
「キャルもな」
「ふえ!? なんで〜!?」
「連帯責任」
ほずみ姉ぇが包丁をギラリとかまえてる。
「「ほずみお姉様〜。ご勘弁を〜」」
「「あはははははは」」
3人がそれぞれ箸でつまんだ食材を睨んでる。
「ピーマン……」
「にんじん……」
「玉ねぎある……あるじゃないある、ないある」
「りんちゃん、それ永遠に続くよ?
みんながんばってね!
応援してる!
よし! わたしが食べさせてあげようじゃないか!」
一人ずつお口に苦手な食材を運んであげた。
みんないろんな顔をしながらなんとか食べ終わりました♪
「それじゃあ、メディカルルームで健康診断に行ってくるある」
「ゆの〜。しのっち〜。またね〜♪」
キャルとりんが手を振って背中を向けるけど、ゆのはわたしについてくる。
「ゆの、メディカルルームに行かなくていいの?」
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