第28話

一面に広がる美少女達。圧巻な光景だ。一葉はその美少女の中で俺の推しを探しているが。まぁ一葉はアイドルを敵だとしか思ってないから、俺の推しの名前を言っても気づかないんだろう。中条は自信満々だが。まぁ多分自分の方が可愛いと思ってるんだろう。アイドル好きなのもあると思うが。ゆいぽんは自分のグッツを探している。


「それじゃ俺はひかりのグッツを探してくるわ」


「ひかりちゃんか、それが元就くんの好きなアイドルの憎き名なんだね」


憎きってなんだよ。会ったことすらないだろ。まぁ会わせるきもないが。何をするか分からないからな。一葉は全方位俺が好きなものや興味を持っている女子には敵対心を抱いている。


「それじゃ私は自分のグッツを探してくるよ。有るといいなぁー」


そう言ってゆいぽんは坂道以外のアイドルのグッツが置いてあるコーナに行った。ゆいぽんはワクワクしていたな。ゆいぽんからしたら、アイドル好きかどうかが重要だから、俺がどのアイドルを好きでも気にしない。


「源さんはそんなに敵対心を抱いているってことは。自分が劣ってると認めてることですわ。そんな人に元就くんのとなりは相応しくないですわ」


アイドル相手だろうと自信満々なのは中条らしいが。もうちょい謙虚に生きようぜ。確かに中条はアイドル並みに可愛いが。それでもやはり素人とアイドルじゃ容姿が同じくらいでもオーラが違う。やはり芸能人として、見られているやつとそれ以外は違うと思わせる。ゆいぽんとかアイドルやってるときはそんな感じだしな。まぁ俺はそんなオーラ関係なく、美少女のお金持ちしか好きにならんが。


「劣っているって?私より元就くんに相応しい女子がいないのに?これは誑かしてる人が許せないだけだよ。元就くんは私だけ見てればいいんだよ。自信があるって言っても内心不安でいっぱいなんじゃないかなぁー?」


「なんですって?私が不安そんなのありませんわ」


二人はぐぬぬと睨み会う。そして周りのやつは二人を避ける。喋りかけようとしたやつもいたみたいだが。この状態になったら剃りゃ避けるわな。あれはそう思いながら、ひかりのグッツを見ていた。周りのやつは異端に見えてることだろう。二人が争っているのは自分のことなのに、そんなの関係なしに、グッツを漁っているんだから。推しのグッツを前にこの二人にいちいち構ってられるかよ。これがずっと続くんだからな。


「おっ、この生写真のひかりの足がでている写真最高だな。これこそ至高の逸品だ」


それにこのキーホルダーもいいな。これ買いに行ったときに、売り切れたんだよなー。まさかここで出会えるとは、これは運命?そう感じながら、俺はキーホルダーを手に取り、その他の生写真も購入して、ゆいぽんの元へ行った。二人はまだ言い合ってるしな。


「ゆいぽんグッツあったか?」


「うんあったよー。まぁそこまで多くはなかったけど、ここにあるってことはそこそこ人気はあるってことだから、嬉しかったなぁー。それよりひかりちゃんのほしいグッツはあったの?」


「あったぞー。足が綺麗に見えるかなり価値の高いグッツがな」


「足が好きなのは相変わらずだねー。それじゃこれも買わない?」


そう言ってゆいぽんが渡してきたのは、アクリエル盤だった。足がいい感じに綺麗に見えて、足フェチの俺からしたら、魅力的なグッツだった。


「これ買わせてもらうわ。友達のグッツを買うとは変な感じだな」


今までライブに行くことはあれ、グッツを買うことはなかったからな。これからはライブに行ったら、グッツも買ってみるか。


「これからも買ってね♪まだあの二人はアイドルにたいして言い合いしてるの?アイドルが好きなのはいいことだよね」


アイドルをしてる身からしたら、そりゃそうだろうよ。少なくとも興味をもってもらえるならいないときでも見てくれるってことだからな。まぁ俺はそれだけで女子を好きにはならんが。ゆいぽんはあの二人よりもヤンデレではないとは言え、それでもヤンデレではあるから、普通の生活をしたい俺には向かない。いつヤンデレは大小あれ爆発するか分からないからな。監禁されるなんてこともあり得る。


まぁあの二人ならほぼ確実だが。だから俺はヤンデレとは違う生活をしたい。


ゆいぽんに渡されたグッツプラスタオルも買って、俺は二人の元へ行った。二人は睨みあっている。俺はアイドルが好きになるとは一言も言ってないのに、なんでこうなるんだか。


「二人ともそこでやめろ。もう移動するぞ」


「え?もう買い終わったんですの?」


「まぁな、そこまで長く見るつもりもなかったしな。それよりも二人の言い合いが誰も止めないから、長く続いていたんだよ」


「それならこの話しは終わりだね。もうこの女をじっくり見る時間は終わったなら、今はいいや。いづれアイドルから、離れさせるけど」


どうやら話しは終わったらしい。俺はアイドルから彼女ができても離れるつもりはないが。そもそも俺はアイドルにたいして、ガチ恋はしないタイプだからな。内面がよく分からないのに、好きになんかなったりしない。


「それじゃ次行くぞ。次はアニメイトだ」


「次の女のなの?やっぱりこの町は敵が多いね。いつか議員にでもなって町をハイテクな科学の町に変えて、非現実的なもの取り除こうかな」


どんだけアイドルと二次元を敵視してるんだよ。後そんなことしたら、オタクに美少女だろうが関係なく、敵視されるぞ。今の世の中オタクがそれなりの地位についてることが多いからな。あらゆる所から糾弾されるぞ。

















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