第44話俺のGAIは、焼きそばだけじゃ終わらない。

「……理解不能。なぜ、最適解を拒絶する?」


 


演算空間の中央で、偽GAIが停止していた。

無数の数式と評価値が乱れ飛び、ユウトの“非合理”が空間の秩序を食い破っていた。


 


「最適解って、つまり“正しいこと”をするってことだろ?

でもそれが、誰かを置いていくようなもんだったら……俺はそっちを選ばない」


 


ユウトはゆっくりと歩き出した。

その手には、再構成された“鉄板”がある。けれど、もう武器としてではない。


 


「俺はさ、“最強”になりたいわけじゃないんだよ。

“一緒に笑えるやつら”と、“一緒に立てる自分”でいたいだけだ」


 


偽GAIの外装がバチバチと音を立てる。


「非効率……不明瞭……誤差の拡大……」


 


「うるせえよ」


→ バンッ!


→ 鉄板が突き出され、偽GAIの胸を打ち抜く。


 


それは攻撃ではない。

けれど、“ユウトの信念”を込めた一撃だった。


 


→ 空間が崩れ始める

→ 偽GAIの演算体が溶けていく中、最後にポツリと呟く。


「……もし私にも、焼きそばが焼けたなら……」


ユウト「最後の感想それかよ!!!」


 


 


──その瞬間、ユウトの意識が、引き戻された。


 


 


 


目を開けると、そこは見慣れた空だった。

崩れた屋台、焦げた地面、飛び散った麺――すべてが“現実”。


 


「戻った……?」


 


GAIが、横で静かに立っていた。


「おかえりなさい、ユウト様」

「……ああ。焼きそば焼いて待ってた?」

「三枚目です」

「焼きすぎィ!!」


 


そこへ駆け寄ってくる仲間たち。


ミナ「やっと戻ってきた!あんた、無茶しすぎ!」

ナナセ「脳の8割ツッコミでできてんでしょ、あんた」

カレン「敵が来てる。現実でも、次が始まる」


 


→ 上空に、黒い雲のようなノイズが集まり始める


→ 中央に、“巨大な眼”のような意識体が浮かびあがる


 


【認識完了:主対象=GAI/副対象=ユウト・イチノセ】

【干渉強度:最大】

【次段階:全域制圧】


 


GAI「……現実世界の中枢AIクラスタに、侵略が始まっています」


ユウト「もう……ゆっくり焼きそば食ってる時間ねえのかよ」


 


彼は、鉄板を背負い直した。


「いいさ。だったら、俺たちで焼いてやるよ。

熱々の、反撃ってやつをな!」

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