将軍と辺境の娘、重症の張麗華

 その夜、韓信が寝ている間に、張蓉は張麗華を別の部屋に誘った。「張麗華様、せっかくやけん、女同士で楽しもうやないですか」と笑い、酒瓶を持って褥に座った。張麗華は「蓉殿、貴女は本当に大胆だな」と苦笑しながらも付き合い、二人はさらに酒を酌み交わした。酔いが回る中、張蓉は張麗華の袍をそっと剥ぎ取り、白い肌を露わにした。「張麗華様、ほんに美しい体やねぇ」と呟き、指を張麗華の乳房に這わせた。張麗華が「蓉殿、何だ!?」と驚いて身を引こうとすると、張蓉は「ええやん、旦那様は寝とるし、女同士やけん」と笑い、張麗華の乳首を軽く摘んで弄んだ。「んぁっ…蓉殿、やめなさい…!」と張麗華が喘ぐが、酒と張蓉の誘惑に抗えず、体が緩んでいった。


 張蓉はさらに手を下に滑らせ、張麗華のミツツボに指を這わせた。「ほら、張麗華様も感じとるとよ」と囁き、秘レツを優しく撫でると、蜜が溢れて指を濡らした。張麗華が「ぁあっ…蓉殿、そんなとこ…!」と身をよじると、張蓉は「私ぁ旦那様に仕込まれたけん、上手いとよ」と笑い、舌を張麗華の陰カクに這わせて舐め回した。「んぁっ…気持ちよか…!」と張麗華が喘ぎ、太ももで張蓉の頭を締めると、張蓉はさらに深く愛撫し、「張麗華様の味、甘かねぇ」と呟いた。張麗華は「蓉殿…私、こんな優しい触れ方は初めてで…!」と涙目で訴えた。叔父による暴力的な行為とは異なり、張蓉の柔らかな愛撫に戸惑いと安堵が混じっていた。


 張蓉は自分の袍も脱ぎ、裸で張麗華に寄り添った。「張麗華様、私ぁ女同士でも楽しめるっちゃ」と言い、張麗華のミツツボに自分の秘レツを擦りつけた。二人の蜜が混ざり合い、濡れた音が部屋に響いた。「ぁあっ…蓉殿、たまらん…!」と張麗華が喘ぎ、張蓉も「んぁっ…張麗華様、私も気持ちよか…!」と応じ、二人は互いの体を貪るように愛し合った。張麗華は女同士の快感に戸惑いながらも、「蓉殿…貴女、すごいな…!」と呻き、絶頂に達して体を震わせた。張蓉も「張麗華様、一緒に逝くとよ…!」と叫び、二人は褥に倒れ込んで息を荒げた。


 褥に倒れ込んだまま、張蓉は汗に濡れた張麗華の顔を見つめ、「張麗華様、なして男装して武将になられたとですかい?」と尋ねた。張麗華はしばらく黙り込み、酒の余韻と張蓉の柔らかな声にほだされたように、ぽつりぽつりと語り始めた。「蓉殿…貴女には隠せんな。私は16歳の頃、叔父に体を奪われた。処女を失ったんだ」と張麗華の声は低く震えていた。「その時から、女の立場がどれほど弱いか痛感した。叔父に穢された後、男として生きるしかないと決意した。男装して、男になろうと誓ったんだ」


 張蓉は目を丸くして聞き入った。張麗華はさらに続けた。「成人すると、私は叔父を殺した。私の運命を変えたその男を憎んだからだ。男そのものも憎んだ。戦場で男として生き、実績を重ねることで、女としての過去を消したかった」張麗華の瞳には深い憎しみと決意が宿っていた。張蓉は息を呑み、「そりゃ大変やったねぇ…張麗華様、辛か過去を背負っとるとやね」と呟き、そっと張麗華の手を握った。


 だが、張蓉はふと首をかしげ、「それにしては、張麗華様は韓信様と仲がええとよね?まさか、私の旦那様は男の中でも別格やとか、お思いですかい?旦那様をお好きなのやなかと?」と無邪気に尋ねた。張麗華がギョッとして体を起こし、「何!?蓉殿、貴女は本当に…!」と声を荒げたが、張蓉の純粋な笑顔に言葉を詰まらせた。「いや、韓信は…確かに特別な存在だ。戦場で何度も命を預け合った相手だからな。だが、好きだなんて…そんなんじゃない」と慌てて否定したが、その声には微かな動揺が混じっていた。


 張蓉は「ふぅん」と笑い、「張麗華様、顔が赤かとよ。まぁ、私ぁ旦那様を張麗華様と分かち合うのもええと思うとるけん、気になさらんでくださいね」と茶化すように言った。張麗華は「蓉殿、貴女という女は…!」と呆れつつも、どこか安心したように笑い、二人の間に奇妙な親密さが漂った。


 その後、張麗華は張蓉に「韓信には絶対に言うなよ」と念を押しつつ、「蓉殿、貴女との秘密は悪くない」と笑った。張蓉は「ええよ、私と張麗華様の仲やけん、旦那様には内緒やね」と約束し、二人の間に新たな絆が生まれた。韓信は鼾をかきながら何も知らず、朝まで眠り続けた。


 ある合戦の後、韓信と合同で楚軍と戦った張麗華は重症を負った。傷は腿の付け根に近く、血が止まらず張麗華の顔は青ざめていた。韓信は急いで張麗華を陣営の片隅に運び、張麗華の袍を剥ぎ取って傷口を手当しようとした。布を切り裂き、腿の内側を露わにした瞬間、韓信は目を疑った。男ならあるはずの陰茎がそこになく、代わりに柔らかな秘裂が目に入った。「張麗華…女だったのか」と内心驚愕したが、戦場での混乱と張麗華の命を優先し、何も言わず傷口を布で縛って応急処置を施した。張麗華は意識が朦朧としながらも、「韓信…助けてくれ」と呟き、韓信の手を握った。韓信は「当たり前だ」と短く答え、張麗華を黙って抱き上げた。



◯韓信(かんしん)

元は項羽の部下だったが漢に寝返り、大将軍に昇進。蜀漢攻略に尽力し、張蓉と深い絆を築く。29歳。中華、中原の出身で標準語

◯張蓉(ちょうよう)

蜀漢の辺境の村出身の18歳の美少女。処女として韓信に差し出され、知性と美貌で彼を魅了する。中華、蜀漢辺境の出身で長崎弁

◯盧氏瑛(ろしえい)

秦瑛の侍女。18歳。秦王朝滅亡後、秦瑛に仕え、劉邦の後宮から韓信の家に派遣される。穏やかで従順だが、情熱を秘めた芯の強さを持つ。中華、咸陽の出身で京都弁

◯秦瑛(しんえい)

滅亡した秦の皇女。22歳。秦の滅亡後、劉邦の宮廷に迎えられる。非常な美貌で、劉邦の正妻・呂雉(呂后)に警戒され、女好きの劉邦から呂雉の配慮で距離を置かれるため「男旱(ひでり)」。韓信に当初反発するが、次第に恋心を抱く。気品があり、気位が高いが情熱的な一面も。中華、咸陽の出身で京都弁

◯張麗華(ちょうれいか)

漢軍の有力将軍。32歳。韓信の上司で、男装の麗人。女性であることを隠し、戦場で実績を重ねる。韓信を認めつつ競い合う。妖艶で自信に満ち、力強いリーダーシップを発揮。中華、中原の出身で標準語

◯虞蘭(ぐらん、Yu Lan)

韓信の同僚の女将軍。27歳。項羽の愛姫・虞美人(虞姫)の妹であることを隠している。虞美人は28歳で1歳違い。元楚軍の副将軍だったが、漢に捕縛され、劉邦の人柄に惚れて服属。項羽軍と戦うが、姉を心配する。韓信に惚れて肉体関係を持つ。副官として孫琴を従える。獰猛で鋭いが、優しい一面を持つ。中華、中原の出身で標準語

◯孫琴(そんきん)

虞蘭の副官兼軍師。23歳。軍略に詳しく、孫子(孫武)の末裔。虞蘭の戦術を補佐し、楚漢戦争で知恵を振るう。韓信を兄貴分、虞蘭を姉のように慕う。幼さの残るコミカルさを持ち、口調は「だっちゃ」で軽快。中華、中原の出身で標準語

◯周勃(しゅうぼつ)

漢の将軍。33歳。劉邦配下で項羽軍と交戦し、垓下の戦いに参加。韓信のライバルで、貴公子風の落ち着いた態度が特徴。穏やかで知的な貴公子らしさを持つ。中華、中原の出身で標準語


◯劉邦:

漢の初代皇帝。項羽との抗争に敗れ、蜀漢に追いやられたが、韓信と蕭何の力を借りて勢力を立て直す。

◯蕭何:

劉邦の腹心。韓信の才能を見抜き、彼を大将軍に推挙。蜀漢のインフラ整備にも貢献。

◯項羽:

劉邦の宿敵。本編では直接登場しないが、抗争の背景として言及される。

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