第3話:チャオマオに告ったバカ男。

まあいいや、寿命が縮むのを覚悟でチャオマオとやっちゃっても・・・どうせ

我慢できっこないんだから・・・人間、みんな死ぬんだから楽しいことして

死ねたら本望だろ・・・好きな女も抱けないなんてつまんないからな・・・。


チャオマオとエッチしたら寿命が減るなんて猫ばあちゃんに言われたもんだから、

奇異太郎は半分やけ気味になっていた。


って言うか、俺もチャオマオも未成年だし・・・そもそもエッチなんて論外じゃ

ねえかよ?・・・猫ばあちゃんが変なこと言い出すから・・・。


猫ばあちゃんはチャオマオに貞操観念のあるおしとやかな大和撫子になって

ほしいらしい。

って、俺はチャオマオの首に鈴をつける男になってしまったって訳。

しっかりチャオマオに関わっちゃってる俺だった。


俺とチャオマオは「赤口仏滅高等学園」に一緒に通っている。

俺たちは同じ長屋に住んでることもあって、朝、早くにチャオマオが俺を誘いに

やって来る。


「奇異太郎・・・学校いこか?」


「ほ〜い・・・ちょっと待て、まだ飯食ってるから」


「早よせんと遅れちゃうで・・・」


「待て待てって・・・慌てるなんとかは貰いが少ないって言うぞ」


「早う」


「あと五分」


「二分で・・・来い」


「おう、待たせたな・・・ほんじゃラブラブで行こうぜ」


セーラー服のチャオマオは、これまた可愛い。

とくに尻尾が上に上がるたびにスカートから穴開きパンツが見える。

たまらん。


俺たちはバス登校。

だからバス停でバスを待ってる間、俺はゆっくりチャオマオの後ろに移動する。

そしたら尻尾が上がってるとパンツ見放題。

で、じっくり見たい時は、そこにしゃがむ。


なに興奮してんだって話だ・・・チャオマオのパンツなんか穴を開けてる時に

イヤってほど見てるだろ・・・。

いやいや、履いてないパンツより履いてるパンツのほうがいいに決まってる。


チャオマオは俺の方を振り向くと聞こえるか聞こえないかくらいの声で俺に

向かって「スケベ〜」って言う。


なんだよ気付いてんじゃねえかよ。

気がついたらチャオマオのパンツを見てるのは俺だけじゃなかった。

バスを待ってる男どもが俺の横に並んで、視線は一箇所・・・みんなチャオマオ

のパンツを見てるじゃないかよ・・・まあ、こんなチャンスはそうはないし・・・。

普通なら絶対、変態扱いされるに決まってるからな。


まあ、チャオマオはそんなことくらいで目くじら立てるほど器は小さくない。


見られてなんぼ・・・むしろ見られない方がチャオマオのプライドが許さない。

ある意味、変態なのはチャオマオのほうだな。


赤口仏滅高等学園は人間のクラスと妖怪のクラスに分かれていて、学校に

到着すると俺とチャオマオはそれぞれのクラスに分かれる。


まあ、同じクラスでもいいんだろうけど、なんせ異種同士だからトラブルが

あってもいけないと思って校則でそう決まってるみたいだ。


「奇異太郎・・・昼休み来るから・・・ほなな、しっかり勉強しいや」


「おう・・・おまえもな」


俺とチャオマオの関係は学校では暗黙のうちに知れ渡っている。

人間と妖怪との恋愛なんて今時珍しいことでもない。


それでもチャオマオは可愛いからクラスの男子から、たまに告られたりする

時がある。

俺って彼氏がいるのに、俺に挑戦しようってか?・・・俺からチャオマオを

奪おうって魂胆か?


勇気のあるヤツだよな・・・そんなアホなヤツ誰だって思ったら、俺のクラスの

横池 幹夫よこち みきお」みんなからヨコチンって呼ばれてるヘタレ

オタク。

オタクめ・・・チャオマオにちょっかい出したら病院送りになるぞ。


チャオマオはヨコチンからのアプローチを丁寧に断ったみたいだけど、ヨコチンがチャオマオの顔を見るたび、迫って来るからチャオマオは業を煮やして激怒。

ヨコチンは案の定チャオマオに鋭い爪で顔をひっつかかれて顔から血を吹いて病院に運ばれて入院した。


怖いのはチャオマオにひっかかれると傷口が、なかなかひっつかないんだな。

まあ、ヨコチンはチャオマオに頭をハムみたいにスライスされなかっただけ運が

よかったんだよ。


チャオマオもひっかいた後で悪いと思ったのか、俺と一緒にヨコチンの見舞いに

行ってくれって言ってきた。


横地は自業自得・・・だけど可愛い彼女の頼みだからヨコチンが入院してる病院に

チャオマオと一緒に見舞いに行った。

そしたらバカウイルスのせいで患者さんのお見舞いは遠慮してくださいって受付で

言われた。

まあウイルスは目に見えないし予防はしかたないわな・・・。


その点、チャオマオはウイルスになんか感染しない・・・病気にもならないらしい

から・・・。

お化けは死なない、病気もなんいもないって言うじゃん。


「まあ、いんじゃね、ヨコチンが死んだわけじゃないんだから、そのうち退院してくるだろ、そしたら謝っときゃいいから、な?」


「うん・・・あいつが悪いんやし・・・けど顔の傷跡残るかも」


「それこそ名誉の負傷ってやつじゃねえか?・・・顔に斜めに爪痕が残ってるなんてカッコいいじゃん」


「モノは考えようやね」


つづく。


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