幼馴染は俺と付き合いたいらしい

アレクサンダー

前編

反応が大きければ、続きを書きたいと思うので是非評価とハート、コメントお願いします!


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「ねぇ、話聞いてるの?ねえってば」

「聞いてる聞いてる」

「だから、私と付き合ってよ」


 うるさいなぁ。せっかく屋上で気持ちよく寝てるのに

 

 俺の周りで騒がしいのは朝井 凛あさい りん。幼稚園からの幼馴染だ。もう何年も一緒にいる腐れ縁だ。


「だから、付き合わないって言ってるだろ。何回同じことを言えば分かるんだよ」

「だって、また告白断られたんでしょ?」

「お、おまえなぁ。俺が気にしてること言うなよ」

「これで何人目なの?一回も成功してないじゃん」

「い、いつか成功するかもしれないだろ」

「無理だよ。誰彼構わず告白して成功するわけないじゃん」


 返す言葉がない。こいつの言う通りだ。


「だから、私にしときなよ。こんなに佑のこと理解してる人いないよ〜」

「だ、だから嫌なんだよ」

「はい?それが今回の断る理由ですか〜?」

「う、うるさいな」

「前のショートヘアの方が好みって理由よりマシだけどね〜」


 目を細めて呆れたように凛は俺を見る。


「もうっ、せっかくショートにしたんだから私と付き合ってよ」


 凛がボソッと呟く。


「えっなんか言った?」

「なんもないよーだ。もう、あんたなんか知らない」


 凛が扉を開けて去っていく。


 あぁ今日も空が綺麗だ。

 こうやって昼休みに屋上で寝る時間が至福の時間だ。


「彼女欲しいなぁ」


 心からの願いが漏れ出るように口からこぼれた。


 正直付き合えるなら誰でも良い。

 いや、嘘。凛以外なら誰でも良い。だから、手当たり次第に告白している。もちろん、結果は全部失敗だけど。


   ◇


「はぁー、あいつムカつく」

「また佐藤君のこと?」

「う、うん。よくわかったね」

「だって、凛がそんなに怒るの佐藤君くらいじゃない?」


 言われてみればそうだ。あいつ以外にイライラすることなんてない。どうしてかな?


「それだけ、仲良いってことだよ」

「えっ?」

「怒りの感情も見せられるって相当仲良いよ」

「そ、そうかなぁ」

「で、なんで怒ってるの?」

「あいつが手当たり次第告白して彼女作ろうとしているから、だったら私が彼女になってやろうと思って立候補しているのに全然相手にしてくれないんだよね」

「うーん。ちょっと物言いは上から目線だけど、こんなに可愛い子を相手にしないってすごいね」

「毎回理由付けられて断られるんだよね」

「別に顔で選んでないんじゃない?」

「その割には可愛い子ばっかりに告白してるけどなぁ」

「へぇー、凛が1番可愛いのにね」

「そんなことないよ」

「謙遜して〜。まぁその様子だと可愛い子が苦手とかではないようね」

「私だったら断らないのに」

「こんな可愛い凛の告白断るのおかしいよね。だって、凛って学年一、いや学校一の美人だもんね」

「よく言ってくれるけど」

「ずっとミスコン1位じゃん。1年生の時から3連覇なんて今までいないのよ」

「はぁー、どうしようかなぁ。私はずっと好きなのに」

「こんな可愛い子が好きって言ってくれてるのに、断って別の子にフラれるって意味わかんないよね」


 私はてっきり、佑も私のこと好きでいてくれていると思ってた。だから、佑が色んな人に告白してる話を聞いて驚いたし、傷ついた。


「佐藤君に付き合う条件とかあるの?」

「うーん…………誰とも付き合ったことがない人と付き合いたいって言ってたなぁ」

「なにそれ、ちょっと気持ち悪いね。処女性求めてるってことでしょ?」

「よく分かんないけどね」


「ねぇ、今の話本当なの?」

「あ、高橋さん」


 彼女はクラスメイトの高橋 愛たかはし あいさん。確か彼女も佑に告白されたことあるんだよね。


「今の佐藤君の話本当なの?朝井さんが告白してるけど断られてるって話」


 私は高橋さんのことがちょっと苦手だ。いつも敵意を向けられていると感じるからだ。

 今も楽しそうに私に話しかけてきた。


「う、うん。本当だよ」

「凛、言っちゃっていいの?」

「聞こえてたみたいだし、いいよ」


「へぇー、学校一美人な朝井さんが断られることなんてあるのね」


 高橋さんはニヤニヤしながら私を見ている。


「全然あるよー。あいつ全然相手にしてくれないもん」

「へぇー、いいこと聞いちゃった。ありがとね」


 高橋さんは嬉しそうに去っていった。


「私、あの人にがてー。凛もそうでしょ?」

「う、うん」

「あの人、絶対凛のこと目の敵にしてるよ」

「え、なんで?」

「だって、ミスコン2位で悔しそうにしてたもん」


 思えば、2年生のミスコンで彼女が2位で私が1位になった辺りから彼女から敵意を向けられるようになったなぁ。


「そ、そうなのかな」


 彼女のことはどうでもいい。まずは、佑を振り向かせることの方が大事だ。

 

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