第38話
「ここがリアの部屋かー」
「勝手に見ないでよ・・・」
「意外と綺麗にしてんじゃん」
先生はそう言いながら畳まれた布団の上に座る。
「勝手に座ってるし・・・」
「リアがおもてなししないからだろー?」
「だからってなんでもしていいんだ」
「ああ」
「・・・何飲みたい?」
「俺実は、リアが熱でも出しているのかと思って、飲み物とか冷えピタいっぱい持ってきたんだよね」
そう言って先生はリュックから、
ビニール袋に入った500mlのペットボトル3つと冷えピタ、
ゼリーやプリン、インスタントのお粥と味噌汁を取り出して
床の上に置いたので私は床に座ってペットボトルを手に取る。
「え・・・ありがとう・・・」
やっぱり、先生は優しいな。
「でも全然体調悪くなさそうだし、俺が飲んじゃお」
「体調悪いよ・・・」
先生は突然冷えピタを取り出し、
「・・・はい」と私のおでこに貼り付けた。
ちょっと、ドキドキ。
いや、この前と同じくらいドキドキ。
「あれ、さっきのさ、井出くんだっけ?仲いいんだ」
私のときめきとは裏腹に、
先生は何故か得意げな笑顔を浮かべて
井出くんの話を振る。
「え、いや・・・仲いいのかな?仲いい・・・な、仲いいかも」
先生にいきなり井出くんの話を振られて
動揺が隠せない私。
「ふっ、動揺しすぎ。もしかして付き合ってるの?」
「付き合ってないよ!!」
先生は面白半分で聞いてるのに、
必死になって本気で答えた。
「だって、家に来る仲なんだろ?本当のこと教えろよ~誰にも言わないから!」
「違うってば!!!」
「・・・分かったよ。そんなムキにならなくたっていいじゃん」
「・・・なるよ」
「なんで?」
「・・・先生には・・・」
「え?」
「・・・先生には勘違いされたくないから」
「・・・そんな真っ直ぐな目で見んなよ」
「ごめん」と言いながらすぐに目を逸らした。
「でも本当に文都先生だけには勘違いして欲しくないの」
更に続けて言う。
「私・・・」
だめだ。
もう止められない。
「私、先生が好きだから」
あーあ・・・
言っちゃった・・・
「・・・好きです・・・」
夕日で赤く染まる先生の顔は、
今までに見たことのない真剣な眼差しだった。
「・・・先生・・・」
なんとか言ってよ・・・
お願い・・・
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