第2話

「………。」


「…あの。麗さん?」


「……ッ!」


考え事をしていたら

心配した様子の彼が

麗の瞳に映った。


「…ごめんなさい。

好きな人がいるので

貴方とは付き合えません。」


いつもと同じように

真っ直ぐな言葉を返した。


「ッ!…わ…かりました。」


そう言うと彼は

肩を竦めて去っていった。


自分に可能性がないと感じると

大抵の人は諦めて引き返していく。


"好きな人"なんて

ただの断る口実なのは

誰も知らない。

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