第2話

私の名前はアズリア・ラングレー

IT企業であるラングレー社の社長だ。

日本の誇るIT企業のラングレー社のモットーは「今までに無い提案を」ということもあり他企業からのスパイ等も存在し、私自身も狙われていると言って良いのが今の現状…

毒殺、射殺、暗殺…色々な危険が周囲に取り巻く私には専属のボディガードがいる。

それは何処からともなく姿を現した少年。

「卜部隆一」だ。

いつの間にか隣りに居て、いつの間にか私の背中を守ってくれている。

そう。今みたいに____

「って!!!なんで貴方がここに居るのよ!!!」

お風呂上がりにて、タオルで身体を拭いている時、何故かやましい視線を感じた(気がした)

私は踵を返してみるとそこにはニタニタと笑う執事(ボディガード)の姿が…

そして、「あ」と声を漏らすと一瞬で胸に手を当てて膝を地面に着けて真面目な声で

「お上がりになられたでしょうから、私もお風呂に入ってもよろしいかと聞こうと思いここに参りました。」

と言った。

私はとりあえずタオルで大事な部分を隠して、「な、なんでここに…まさか逃げたの!?」

「まさか!他の執事を傷つけるのは禁じられていることなので一度牢屋に入ってから、脱出してきました!!ほら!この通り!」

と、言うと隆一は解けた手錠を取り出した。

「さてと…お湯が完全に入れ替わらない内に入りたいのですが…よろしいでしょうか…?」

「お湯が完全に入れ替わらない内に…?って!!しれっと私の浸かったお風呂に入ろうとしてんじゃないわよ!!!!このヘンタイ!!!!!」

と、私は回し蹴りをボディガードに向かって撃ち込む。

バァァァァァァン!!!!!と、音を立ててぶっ飛ぶ。

「ぐはぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

「この…ヘンタイ…!」

私は呟くようにもう一度言うと、その場から去る。

「そ、そういえば…さっき話てくれたらパンツあげるって…」

倒れたまま、そのボディガードは、嘆いた。

まるで、地面を這うゾンビのように手を床に貼り付けて移動する。

「ぱ、パンツ!!!!お嬢様の黒いパンツ!!!!!」

「なんで色を知ってるのよ!?」

「う、うふぇふぇふぇふぇ…!!!合法ロリのパンツをくれぇぇぇぇぇ!!!!!!」

隆一は気持ち悪い叫び声を吐きながら小走り程度の早さで、地面を這う。

結構ホラーな、見た目なせいで、私は

「ぎゃあああああああああ!?!?!?」と声をあげた。

そして、出口へと体を向けた。

に、逃げなきゃ…!!!!

本能的に私は全力で足を踏み脱衣場を走り始める。

「うわああああああ!!!!!!」

と、その時だった。

私は足が滑って空中を舞ったのだ。

そして地面へとぶつか__



「大丈夫ですか!?」

そして、地面へとぶつかる事は___無かった。

タオルが舞い、少しズレた所へとひらりと落ちる。

腰回りに暖かい感触。

瞑っていた目を開けると、そこには心配そうに眉を下げている。

らしくない顔だ。

「ええ…だ、大丈夫よ…」

私は言って、立ち上がる。

ありのままの服を着ていない状態の私を隆一は、「怪我がないようで何よりです…」と、胸を撫でおろすと、私は手を後ろで組む。

タオルは少し離れた所に置いたままだ。

「ね、ねぇ…隆一…」

私は執事の名前を呼んだ。

「はい。何でしょうか?」

私が執事の名前を呼ぶと優しくその執事は聞き返した。

「えっと…その…」

「なんですか?そんなモジモジしちゃって」

私は深呼吸をして、その言葉を口に出した。

多分、今私は酷く顔が赤いだろうな…

「えっと…そんなに私って貧相な身体なの…?」

「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

と、私が恥ずかしがりながら聞くと、脱衣場の中に血が撒かれた。

血の出処は隆一の鼻。

「りゅ、隆一!?だ、大丈夫!?」

と、今度は私のように鼻血を出して吹っ飛んだ隆一は、涙を流して優しい笑顔を作ると、

「眼……福……」と言い残して、目を瞑った。

「ま、待ってよ!!!隆一…!!!!行かないで!!!!や、やだ!!!!!待ってよ!!!!!!!」

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