夜明けの間に落ちたもの
@kakuyom123578
プロローグ 落ちるということ
夜明け前の空は、目を閉じたまま思い出す夢のようだ。
正確には夜でもなく、朝でもない。そのあいまいなあいだに、誰かが何かを落としていく。靴、約束、誰かの名前、あるいは、自分自身。
この物語は、そうやって落ちてしまったものについての話だ。
それを拾った僕と、落とした彼女の。
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