第3話初めての戦闘
次の日の朝俺は1を保護者に返すために教会に戻っていっていた。歩いてる時間暇だし色々質問してみるか。
「名前の由来はなんだ?」
「1番最初にできた完成品だから。」
こいつの保護者は名前を単調に決めすぎだろ。てか完成品とか人間をモルモットのように扱っていたってことかよ。
「俺の世界では優愛とか絢花とかみたいに一人一人にちゃんとした名前を付けるんだ。」
「いいなぁ。」
と小さな声でいっていた。やっぱりちゃんとした名前っていうのは羨ましいものなんだな。よし、次の質問はこれにするか
「1はなんであんなとこにいたんだ?」
「私たちの使命だから。」
「使命ってなんだ?」
「私たちは神を信仰する教会と敵対してるエスティアという組織の 改造人間だから教会を破壊するのが使命。」
と説明した1は「偉いでしょ」と思ってるような顔をしていた。だがその顔をすぐにしてから顔が真っ青になっていく。
「これいっちゃダメなやつだった。忘れて。」
焦りながら俺の方に詰め寄り肩を揺らしてくる。こいつってもしかしてめちゃくちゃ可愛いのでは?
「わかったよ。忘れるよ。」
そんな話をしているうち教会に着いた。だがそこには死体しかなかった。1は走って博士とやらを探しに行く。俺は教会があった場所を見て回っていた。地面を見ると爆発したような跡がある。どうやらなにかがあったようだ。俺がどんどん奥に進んで行こうとした瞬間
「きゃぁぁ。」
1の叫び声が聞こえる。俺は声が聞こえた方へと走っていく。するとそこには上裸の男が1を襲おうとしている。それを見た俺は
「このクソゴリラこっちを見やがれ!」
そういいながら石を投げつける。その石は頭に直撃した。男はこっちを振り返る。てかこいつ目が逝ってるじゃねぇかよ。薬物中毒なのか?俺は剣を抜きながら男にゆっくりと近づく。攻撃をしようとした瞬間俺は殴られて吹っ飛ばされていた。俺は吐血しながら地面に倒れる。
「なんて怪力だ。こいつ怪物かよ。」
男は俺のことを殺そうとしてるのか少しずつ近づいてくる。まずいこのままだと死ぬ。俺は死を悟り目を瞑る。だがなかなか攻撃が飛んでこない。目を開けると1が魔法で男に向かって攻撃している姿がそこにはあった。こんな幼い子が戦ってるのに俺は諦めるのかよ。
「うぉぉぉ!!」
叫びながら俺は立ち上がる。その瞬間頭に女神の声が響く。
『おめでとう!ギフト解放してあげまーす。』
『作成』
俺がそういった瞬間
『スキル:自動回復が解放されました。』
聞き覚えのない声が響く。その声が聞こえてから俺の傷はどんどん回復していく。
『作成』
『聖剣を作成しました。』
俺の手から剣が生成されていく。俺はその剣を握りしめ男に突進していく。俺は剣を突き刺し横にないだ。体が半分に切れたはずだった。だが男の体にはかすり傷すらついてない。俺は1回後ろに下がり
「お前は何者だ!」
さっきのでわかったがこいつはただ者じゃねぇ。「我が名はペルトルス。神の血を与えられし選ばれた人間である。」
つまりこいつが殺害対象の1人ってわけかよ。てか神の血を取り込んだだけでこんなに強いのかよ。だがあいつを殺すためにはなにかしらのスキルが必要だ。考えようとするとペルトルスが攻撃を仕掛けてくる。何も考えることが出来ない。時間を稼げればその間にすぎるを作るんだがどうすれば…
「時間を稼ぐ。任せて。」
「我が魔力を持って命ずる。全てを包みし闇よ目の前の敵を喰らい尽くせ。」
「ダークイーター」
地面から大量の龍の顔のようなものが出てきてペルトルスを襲う。致命傷になるような攻撃もある。だが食らった瞬間すぐに再生してるから実質無傷だ。なにか考えないと。なにかないのか。聖剣ですらダメージをいれることはできない。探せなにかヒントがあるはずだ。そういえばあいつ神の血を取り込んでるんだよな。つまりあいつは半神ってことか。ということはあいつは神。なら話は早いじゃねぇか。
『作成』
『スキル〇〇が解放されました。』
俺が考えたスキルが作られた瞬間俺は持っていた聖剣をペルトルスの心臓に突き刺す。ヤツは再生しようとするが再生せずに地面に倒れた。
「倒せた〜。良かったぜ。ありがとうな、1。」
「う、うん。ありがとうってなぁに?」
「ありがとうっていうのはな人に感謝をする時に使う言葉なんだ。」
「いわれたらどうすればいいの?」
「どういたしましてっていうんだよ。」
「どういたしまして。」
なんか子どもに言葉を教えてるみたいだな。俺は1の頭を撫でる。頭を撫でられている1は嬉しそうにしている。可愛いなぁ〜この子は妹ができたみたいだ。
「やめて。邪魔だから。」
そういうと1は走って博士を探しに行った。そりゃあ保護者のことが心配になるわな。俺はゆっくりと1の後を着いて行った。するとそこには1と同じくらいの子どもたちの死体と顔のない男が地面に落ちていた。それを見た1は泣き崩れる。どうやらこいつらが保護者と兄弟的なヤツらだった人たちらしい。えげつないな。
「1、お前はこれからどうする?俺は神を全員殺そうと思うんだが。」
「着いていきたい。」
「すまないがそれは無理だ。お前じゃまだ力が足りてない。」
どうするとかいっておきながら選択肢をあげないなんて俺は最低だな。
「ならせめて新しい名前を付けて。博士の物じゃなくなった私に名前をお願い。このままの名前だと博士の物のままだから。」
俺が行く途中に話したあっちの世界の名前に憧れたようだ。変ないい訳をしてでもあっちの名前が欲しいらしい。なんて名前にしよう。俺はあらためて1を見る。目が緑で髪は銀髪で美しい。そして雰囲気は小さい頃の絢花に似ている。この特徴をまとめて
「今日からお前は月柳銀花(ぎんか)だ。よろしくな銀花。」
「うん!」
といいながら名前をつけられた銀花は嬉しそうに頷く。
「だけどお前はさっきの村に残ってもらうぞ。」
「なんでなの?」
「力不足だから。」
本当はこんな幼女を連れて回るのは嫌だからなんだがこれはいわないでおこう。まぁ次に行く町でも考えるとするか。地図を片手に銀花を抱っこしながら昨日泊まった村に帰るのだった。
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