大蜘蛛退治

 菊池家は一見、普通の家だった。

 しかし、よく見るとポストに新聞が溜まっており、家も何となく、どよんとしていた。

「ここか」

「はい」

 芥川と華恋は家の敷地に足を踏み入れた。


 二人が依頼を受けたのは昨日のこと。

 菊池家の娘・優紀が授業にもサークルにも出て来ないことを心配した友人が、最近、祓い屋の助手をしているという華恋の元に相談したのである。


「それでは行きましょうか」

「ああ」

 扉の鍵は開いていた。

 開けると一匹の蜘蛛が這い出てきた。

「蜘蛛?」

 玄関から蜘蛛の巣が目立つ。

「何か不気味ですね~」

 芥川は目の前の蜘蛛の巣を払いながら、先に進んで行く。

 リビングに続く扉を開ける。

 大きな繭が4つあった。

 顔が見えるようになっており、恐らく父、母、優紀、弟だろうと分かる。

 皆、顔色が悪い。もう何日も飯を食えていないようだ。

「助けないと!」

「待て!」

 天井の一際大きな蜘蛛の巣に、人と同じ背丈程の蜘蛛がいた。

「ひっ」

「蜘蛛の怪異か」

 芥川が刀を構える。

「わ、私も何か武器をっ」

 華恋はキッチンから包丁を持ってきて大蜘蛛に相対する。

 芥川が大蜘蛛に斬りかかると、蜘蛛は尻から糸を出す。

「きゃああああ」

 芥川は避けたが、華恋が糸に捕まってしまった。

「チッ」

 芥川は華恋が繭にされる前に糸だけを斬った。

「あ、ありがとうございます。えーと、まずは話し合いから」

「虫とか」

 その間も大蜘蛛は糸を吐いて攻撃してくる。

「ひっ」

「別の部屋で隠れていろ」

「はい」

 芥川は蜘蛛の足を一本ずつ斬っていった。

 大蜘蛛が吐く糸を器用に避けながら、蜘蛛の腹に刀を突き立てる。

「おい、終わったぞ」

 大蜘蛛が果てたのを見てから、芥川と華恋は繭にされた家族の糸をほぐしていく。

 大蜘蛛の死骸は細斬りにして庭で燃やした。

 起きた家族に芥川は代金を請求した。

「ええ、化け物から私達を⁉ あ、ありがとうございます!」

 芥川は華恋の時と同じ100万円を請求した。

「ぶ、分割でお願いします」

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