第12話 美姫の進路
20世紀のいつか、美姫・良子高3、明彦大学1
生田さんから頂いた
だけどね、男子は彼女の本質を知らない。女豹だもの。近づいたら食われちゃうわよ。食べちゃったらすぐ飽きちゃってポイして、彼女の後ろには死屍累々の男子の屍体が残っている。明彦、大丈夫だよね?
「良子はどの大学のどの学科を目指すの?聞かないでもわかる気がするけど」
「偏差値的には、国立一期校かなあ。遊びにいくんじゃないから、青学とかヤダわ。バカバカしい。法学部が希望よ」
「聞かなきゃよかった・・・どうせ、あなたは私と違って優等生ですからね!」
「そういう美姫は、どこがいいの?何学部が希望なの?」
「自分でもよくわからないけど、大学の希望はある」
「どこ?」
「明彦の大学の近く!外堀の向こうの法政とか」
「呆れた。立地で決めるの?」
「だってさ、彼が大学終わって、私は飯田橋の改札口で待ち合わせして、待ってるのよ。それで、御茶ノ水に行って古本を探したり、ジャズを聴いたり、お食事をして、お酒を飲んで、それでこの部屋に帰ってきて抱き合う。ああ、それがいい!」
「やれやれ」と明彦。
「いいじゃん!」
「あのさ、ヒメ、学部は?法政大学ってさ、市ヶ谷と多摩と小金井にキャンパスがあるんだよ。ヒメの言っているのは市ヶ谷キャンパスでしょ?学部によっては、市ヶ谷じゃなくて、多摩か小金井になるんだよ」
「え~、知らなかった!」
「やれやれ・・・」
「ねえ、市ヶ谷キャンパスの学部って何?私、そこを選ばないといけないじゃん!」
「え~っと、確か、法学部と文学部と経営学部だったんじゃないかな?」
「明彦!なんで法政大学のことに詳しいの!法政の女子大生と何かあるの?」
「何もないよ。まだ入学したばかりだよ?」
「・・・あやしい」
「だから、それより、何学部なの?」
「法学部なんてわかり合えそうもない!経営学部って、社長になりたい人が行くとこ?わかんないなあ。文学部かな?」
「美姫、文学部と言っても学科がいろいろあるのよ?英文学科とか日本文学科、哲学科、史学科、地理学科、心理学科、いろいろ。どれを専攻するの?」と良子が私の目を覗き込む。マジで聞くなよ。考えてないんだから。
「ヒメ、大家の生田さんの専攻が史学科の中の中世・近世日本史学だろ?後で専攻を変えてもいいんだから、史学科なんてどうだろね?」と明彦。史学科・・・う~ん、悪くないかもしれないわね?
「明彦先生!進路相談、ありがとうございます!美姫、法政大学文学部史学科に決めました!」
「やれやれ。良子さん、法政大学文学部史学科の偏差値は高いの?低いの?ぼくは理系だから知らないんだけど」
「え~と・・・今日の予備校のパンフに載ってるかな?」とバックから小冊子を取り出す。「あら?文学部は意外と高いのね?55.0~65.0だって。青学よりも高いじゃない?」
「ヒメ、その偏差値でどうなんだ?模擬試験、受けてるだろう?」
「ちょっと、マズイかもしれない・・・数学と国語が・・・」
「美姫、今のままじゃダメね。絶対、落ちる」
「良子先生、そう冷酷に言い切らないで下さい!」
「そのために予備校に行くんだから。私も手伝ってあげるわ」
「そうだ!ぼくがバイトでいない時、予備校の帰りとか、良子さんがここでヒメに教えれば良いんじゃない?」
「明彦!それ、ダメでしょ?良子がたびたびここに来たら、明彦を誘惑する!」
「だから、ぼくがいない時だってば」
「ダメ!良子との接点はできるだけ減らさないと!この人は見かけと本質のギャップがすごいんだから。清楚な美少女の仮面の下は魔女よ!女豹!近づいたら食われちゃうわよ。食べちゃったらすぐ飽きちゃってポイして、彼女の後ろには死屍累々の男子の屍体が残っている」
「まったく。そんなこと言って、良子さんが今日ここに来るのは了承したじゃないか?」
「あ!そうだ!墓穴を掘った!まあ、でも、良子は明彦には安全パイよ」
「あら、美姫、聞き捨てならないわね。なんで私は安全パイなの?」
「だってさ、良子は本気になるような男子は相手しないじゃん?自分が本気になっちゃったら自分が傷つくからさ。相手も適当なのを選んで、フッても相手が傷つかないような感性の弱い男子を選んでるから。明彦、意外とね、こういう清楚系ビッチは、最後は白馬の王子様なんて信じているんだよ。それまでは、王子様への道のりへの予行演習、なぁんてね」
「・・・美姫、天然ボケのフリして、人の本質をえぐり取るじゃない?」
「え~、図星だったの?あてずっぽうだったのに。良子は頭が良すぎるんだよ。だから、男の子のことも駆け引きばかり考える心理戦でしょ?私みたいにスキ!って思ったら、あとは押すだけの方が単純だよ・・・6年間かかったけど・・・」
「明彦さん、私、美姫に負けてる!」
「ぼくは聞いてるだけで面白いよ」
「ねえ、私、変なこと思いついた!」
「今度は何だ?」
「あのさ、あのさ、この三人でエッチしちゃうの!」
「ヒメ、またなんてことを・・・」
「だってさ、だってさ、私と明彦は本気でしょ?私と良子も本気でスキでしょ?でも、明彦と良子は本気で好きにならない。だからですね、この三位一体は成立するのよ!破綻しないの!」
「明彦さん、よくもまあ、この頭のおかしい美姫の面倒を見ていられるわね?」
「まあ、6年間も知っているから、慣れちゃったけどね。でも、去年の夏から頭のタガが外れてきたんだ、このお猿さんは」
「去年の夏?」と良子。
「私と明彦との初体験です、ハイ」
「あ!そうか!美姫、初体験のこと言ってたものね・・・え~、でも、この三人でエッチ?男の子一人に女の子二人。それは経験ないなあ」
「え?良子、その組合せ以外は経験があるの?」
「男の子二人に私なら1回、経験あるわよ」
「ねえ、良子さん、男子には刺激が強いんだけど・・・」
「明彦、気にしない、気にしない。女同士なんてこんなもんよ。だって、この三人でしょ?誰に言う話でもないじゃん?ねえ、その話、聞かせてよ、良子」
「男の子同士は知り合いでもなんでもないの。それで、まあ、ものは試しで、男の子二人に同時にセックスされるってどういう気持だろうって思ってね。してみた。面白くなかったな。男の子は順番待ちぃ~って、野球の次打席バッターボックス待機みたいだしね、私は忙しいのよ。されてんのに、もう一人の面倒を見るのが忙しい。バッティングピッチャーみたいなものね。男の子一人に女の子二人なら、休めるわね。ピッチャー、二人、美姫が明彦としているのを見ていれば良いんだから」
「え~、どうなんだろう?私が終わったら、その次は、彼と良子?私、それ見てるの?耐えられないかもしれない。自分で言っておいてあれだけど」
「私と明彦さんがやっているのに参加してもいいんじゃない?」
「どう参加するのよ?」
「美姫の言う三位一体なら、三角形の最後の辺の私と美姫だってしてもいいんだから。明彦さんに私が犯されていて、美姫は私を愛撫してるとか」
「うぉ~、それスゴイね?」
「美姫が言うように、私って恋愛感情が欠落してるのかもしれない。だから、明彦さんと美姫が抱き合って愛し合うのを見るのは、恋愛感情を呼び起こすきっかけになるかも」
「キミら中高一貫私立女子進学校の連中は、みんな頭がオカシイのか?」
「中高一貫私立男子進学校の人に言われたくありません!」と良子が言う。「それに、私立女子進学校じゃないわ。私立女子神学校ですわよ。プロテスタント系なんだから」
※この物語は性描写や飲酒、喫煙シーン含みます。
※この物語は法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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