第26話

「さっきまで散々僕の気を引こうと必死だった癖に。怖気おじけづきましたか?」


「い、いえ、そんなわけないです!」


「僕の気を引きたいならそれくらいのことできますよね?」


「で、できますもん。」



私はそっとスカートを掴み、ゆっくりと持ち上げた。



骨格ウェーブだから脚は太めなんだよね私。。太ももも太いし、なかなか下着の位置まで持っていけない。



「こないだはあんな短いスカート履いてた癖に。」



脚を組み、小説を閉じた先生が、諦めたような深いため息を吐く。細まった瞳は私を見下し、笑っているかのようだ。



やけになった私は、思い切ってギリギリのところまでスカートを持ち上げた。正直、先生からどこまで見えているかは分からないけれど、震えるスカートを掴む手はその高さが限界だった。



顔が、全身が熱くなる。



じっと顔を見てくる先生の視線がとても熱い。ムリムリ無理だよこんなの〜って思いながら視線を泳がせた。



「黒とか糞生意気。」



そう呟いた先生の声に、堪らずスカートを持つ手を離した。



黒い下着とか背伸びしてごめんなさい。これは恥ずかしすぎて死ねます。



私が腰を抜かして絨毯の上に座り込めば、先生が目の前にしゃがみ込んで覗き込んできた。



ちょっと、もう見ないで欲しいんですけど。



「かわいい。」



ふえっ?と涙目になった顔を上げれば、ふわりと頭に手を置かれた。



優しく掌で撫でられる……かと思いきや、私に軽いチョップをしてきたのだ。



「な、っえ?せんせい!わたし?私ですか?!かわいいっていうのは私のこと?!」


「うん今日はもう帰れ。」


「せんせい?!ねえ!かわいいってどういうことですか?!どんな感情で言ってます??!」 


「無感情。」 

     

   

よくわからないけど、ミッションクリアしちゃったみたい。

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