第4話 スキル変態✖️勇者=無能
ダンジョンを攻略しているうちに、俺は少しずつレベルが上がっていった。しかし、思ったようにステータスは変わらず、体力だけが異常に増えていく一方だった。今の俺のステータスはこうなっている。
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俺のステータス
• レベル:19
• 素早さ:11
• 攻撃力:10
• 体力:1919
• 腕力:21
• 器用さ:???
• スキル:変態、回復魔法、クソニート
「(よく見たら、スキルにクソニートとかあるけど、これスキルじゃなくて俺の仕事そのものじゃねぇか。あの暮らしをどう変えろってんだ、こっちは必死なんだよ。あのやろう、よくも俺を異世界に引き込んで、神ペラにして、ゴミ箱にでも入れてやろうか…)」
そんなふうに、俺が心の中で文句を言っていると、長老が声をかけてきた。
『よくやった、お主。レベルも順調に上がったじゃろう』
『え、でも、なんで普通に接してくるんですか? 初対面の時は「ガキはとっとと寝てろ」とか言ってませんでしたか? それに、スキルが変態って言った途端、急に気に入られるとか、どうなってるんですか、この世界』
『フフ、まあ落ち着け小僧。実はここでは、人の性格や興味があるものが具現化して、スキルとして表れるんじゃよ。実はわしも変態のスキルを持っておってな。お前さんが変態を持ってると聞いた瞬間、非常に感動したんじゃ。ついでに鍛えてやろうと思ってな』
『へぇ〜、なるほど……って、なるかーーーー!! 意味がわかりませんよ! どうして性格がスキルになるんですか!? てか、俺変態だったんですね。こんな異世界に来てから、色々ありすぎてもう疲れましたよ。ひとまず今日は寝ますね』
『わしにもよくわからんが、ゆっくり休め変態』
『……』
長老と話した後、俺たちは宿に戻ることにした。
宿に戻ると、わがままな娘、清楚系女子、勇者の嫁が待っていた。
『あいつもスキル変態持ってたんだ、どう思う、勇者の嫁』
『うふふ、あたしは好きよ、そのスキル。むしろそのままあたしを押し倒して…』
『はい、ストップ! そこまでだ!』
『えぇ〜、ダメよそんなに冷たくしないで、ダーリン❤️』
『やめろ、何する気だ!?』
『ナイショ❤️』
『ぎゃあああああああああああ、犯される……親父にもやられたことないのにーーー!』
驚くべきことに、俺はその場で必死に振り切り、別の部屋に逃げた。
『はぁ〜あ、つれないわ…』
何とか童貞を守り、俺は朝を迎えた。
「(今日もダンジョンかぁ……流石に疲れるな。クエストとかないのかよ)」
そう思いながら、宿を出ると、長老が待っていた。
『小僧、そろそろダンジョンも飽きたじゃろ。クエストをやらんか?』
『いいですねぇ! 僕もちょうどクエストやりたいと思ってたところです』
『よし、決まりじゃな』
長老について行き、俺たちはRPGでよく見かけるクエスト受け付け所のような建物に到着した。
『ここが、クエストを受ける場所じゃ。よく覚えておけ、小僧』
『あ、はい。ところで、俺が探してる伝説の金玉——いや、水晶はどうすんですか?』
『お主、まだレベルが足りんのじゃ。最低でもレベル50が必要じゃ』
『結構キツイですね。でも、まずはどんなクエストがあるか見てみますか』
俺たちはクエストが掲示されている場所に向かった。
『いやー、どのクエストもキツイすね〜。あ、でもなんか注意書きがありますよ』
{※只今、スキル変態所持者がいるパーティーはクエストを発注できません}
『えーーー、嘘だろ!? これからどうすればいいんだ?』
『まぁまぁ、落ち込むな小僧。次期に発注できるようになると思うじゃぞ』
こうして、俺たちは再びダンジョンを攻略することになった。
「イキスギィ!……」
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