第32話

「唯子!遅かったじゃない!」



「わぁ…!久しぶり!

着替えに帰ったら親戚に捕まって少し手間取っちゃって…」




(嘘だろ・・・)




「あ。智也?」




智也に気が付いて躊躇なく話しかける彼女。




「唯子…だよな?」



「久しぶり。卒業式以来だね。」




唯子はニコリと微笑んで自然と智也の側に来た。




「唯子何飲む?」



「んー今日は成人式だしね。折角だから飲もうかな〜。」




他の人にそう聞かれ、それに答える彼女は知らない女性の様だ。




隣に座った唯子から、仄かにする甘い香りにどきりとした。

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