第18話

秋が深まった頃。






一つの噂がクラスで話題となった。




広輝と里香が付き合っている、と。







その原因は、里香が鞄に付けているキーホルダー。



それが広輝があげたものだと。





「・・・唯子は知ってるんでしょ?二人と仲いいもんね!」



「二人は、違うって言ってるよ。」




笑いながらそういう唯子が友人たちの視線が逸れると決まって哀しい瞳をした。









「お前ら付き合ってるんだろ?」



「・・・そんなんじゃないし・・・。」



「そうだよ・・・っ!やめてよ!!」




クラスのからかいに呆れたような、興味なさそうな顔色の広輝。


真っ赤な顔で俯く里香。




興味なさそうなその後、広輝がチラリと唯子に一瞬目をやる事に気が付いている人は智也以外にいただろうか・・・。

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