「ってゆーか、智也！手伝いいなさいよ！」

唯子もそれなりに楽しそうだ。

「オレサッカー行くから無理だって。」

そう言えば膨れる彼女が可笑しい。

「唯ちゃんごめんね。あたしも美術部、いってきていいかな・・・」

おずおずと遠慮気味に言う里香は、唯子よりずっと要領が良く世渡り上手だ。

「はくじょおもの～」

智也は本当は、唯子を手伝えるものなら手伝いたかった。

けれど部活に遅れるわけにもいかない。

嘆く唯子を置いて里香と教室を出るのがいつものパターン。

「唯子ちゃんと智也くんって本当に仲いいよね。」

廊下に出ると里香がそんな事を言って微笑んだ。

悪い気は、しなかった。

普通は、可愛い女の子にそう言われれば否定したくなるだろうか。

それでも、不思議と悪い気はしなかった。

４人でいる時間は、とても楽しかった。

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