第18話

「この間、この辺りで見つけたから、探しに行こうよ!」



少し誇らしくなって悠哉さんに言えば、やっぱり笑顔で答えてくれた。




その笑顔に、なんだか焦る。


何故か慌てて立ち上がってしまった。




「……っ悠哉さん!早く行こう!!」



「あ!まおちゃん!!前!!」




ずっと穏やかだった悠哉さんがあたしに釣られてか慌てた声を出す。


ビックリして言われた通りに前をみようとした所で、悠哉さんに肩を掴まれた。




「……危ないな。そそっかしいって言われない……?」




前を見ると、すぐ近くに太い木の幹。


……こんな近くで見たの初めてかもしれない……




「間に合って良かった。女の子が顔に傷つけたらだめだろ」




途端に恥ずかしくなって頬が熱くなるのを感じる……


やばい……

穴があったら入りたいってこういう事だ。




……無いかな……




うん。無い……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る