第8話
「これも個性の一つです。竹山様はああだけど……根は悪い人じゃないのは分かってましたし……けどそんなに言ってくれるなら、今度ご飯奢ってくださいね?」
そう言えば課長は疲れた顔を僅かに柔らかくさせて、私の斜め右上に視線を移動させた。
「和泉。水澤を頼んだぞ。結構飲んでるから家まで送ってやれよ」
「勿論です。一課のNo.1嬢を一人で帰すなんてしませんよ」
ニコリと笑ってそんな冗談を言うのはあたしの隣にいる男。
「もう……和泉。やめてよ……キャバ嬢じゃないんだから……」
「はは。二人ともおつかれさん」
最後は和泉の冗談に少し晴れやかに笑って課長はタクシーに乗り込んだ。
夜闇を滑る様に走り出した課長と竹山様を乗せたタクシーに、和泉と二人揃って頭を下げる。
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