エルフ?

俺「まったく、ケチくさいな! 言葉くらい通じるようにしとけよ!」

俺は目の前のエルフが何を言ったのか分からなくて、悪態をついた。


しかし なんと、このエルフには俺の言葉が通じたようだ。

エルフ「はにゃ!」

エルフの女性は何かに気付いたような表情をした。

そして腰に下げていた袋の中から小さな物を取り出して、俺に差し出した。


それは、小型のヘッドホンとマイクに見えた。

…ヘッドセット? なんでこんな物があるんだ??

エルフと言えば森に住む種族で、異世界と言えば中世レベルのファンタジーだろ? なんでこんな現代的な機械を持ってるんだ?


俺は改めて目の前の女性を観察した。

長い金髪の美しい女性で、耳が長くとがっている。ここまではよく知っているエルフのイメージそのものだ。

しかし、他はイメージと全然違っていた。

エルフといえば軽装で弓使いというイメージだが、目の前の彼女はロボットアニメに出てくるパイロットスーツみたいな服を着て、小銃のような物を背負っている。

彼女の乗り物はサーフィンボードのような板で、前方から棒が上に伸びて自転車のハンドルのような形になっている。板の下に車輪は無い。そういえば、止まるまでは少し宙に浮いていたような気がする。

そして、俺に差し出されたヘッドセットと同じ物を、彼女も頭に付けていた。


俺は彼女に倣ってヘッドセットを装着した。

エルフ「どう? 言葉が通じるかしら?」

再び彼女は口を開いたが、今度はさっきまでのへにゃへにゃした音ではなく、俺が知っている言葉が聞こえてきた。

俺「おお!? 分かるぞ!」

エルフ「そう、良かった。でもあんまり悠長に話している時間は無いの。向こうから奴らが来てるの、分かるでしょう?」


彼女は俺の背後を見た。

俺も振り返った。大量の砂煙は全く勢いが衰えていない。


俺「奴ら?って何なんだ?」

俺は質問したが。

エルフ「奴らのこと、聞いてないの? でも今は説明している時間は無いわ。とにかく一緒に来て!」


彼女は乗り物の板に乗り、ハンドルを握った。

エルフ「後ろに乗って、私につかまって!」


この板にはバイクや自転車のような座席は無く、立って乗るようだ。

俺は言われた通りに板に乗り、彼女の…えーっと…どこを掴めばいいんだ…ちょっと迷って、彼女の腰を掴んだ。


エルフ「行くわよ! 振り落とされないように注意して!」

乗り物はふわっと浮かび上がった。

そしてUターンし、丘に向かって猛スピードで発進した。

俺「うわああっ!?」


思った以上の速度に驚き、俺は悲鳴を上げたのだった…。

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