大罪と美徳
サトテル
1
本当に何もない人生だった。
普通のちょっとだけ裕福な家庭に生まれ、普通に学校を出て、普通に働き気がつけばもう初老のおっさんだ。
結婚もせず(できず?)それでも大事な家族である両親を苦労しながらも、10数年介護し最後まで看取りこれからは自分の老後のことを考えつつ、ようやく自由な時間ができると思った矢先就寝しようとベッドに腰掛けた瞬間にめまいが起こり、強烈な頭痛を感じながら体が動かなくなり、そのまま意識を手放した。
気がつけば、目の前には今まで見たことがないような綺麗な青空が広がり、自分の体が自由が効かないことに気がついた。
やはりあの頭痛で何か致命的な病気を発症し、倒れ込んだんだろうなぁと思った。ただなぜ寝室のベッドの上で倒れ込んだはずだろうに目の前は青空なのかを不思議に思っていたところ、不意に今まで聞いたことのない女性の声が頭の中に響いた。
「現状を説明しますので、慌てずにお聞きください。あなたは現在魂だけの存在になっているので、違和感はあるかとは思いますが、今までの経緯と今後のことをご相談させていただこうと思います。」
あぁ、やっぱり死んだんだなぁあの時点で。
しかし、死後の世界って本当にあったんだなぁとぼんやり考えていると
「いえ、ここは死後の世界ではありません。本来、死んだ人の魂は死後は速やかに輪廻へといたり、浄化され意思のない状態で、次の生の準備に入ります。ですので、こういった状態には陥る事はありません。」
うーんだったらなんで今俺はこんな状態になってるんだ?っていうか、心読まれてるよね!変なこと考えないでおこう。てかあんた誰!神様?
「現状、あなたは魂だけの存在になっているので、考えている事はダダ漏れです。そして私は神ではありません。そうですね、わかりやすく言うと、管理者のような存在です。そしてこういった状態になった経緯をお話しさせていただきますが、前提として、あなたが生まれそうだった世界とその別の世界の話を説明させていただきます。」
ここでなんで別に世界の話を説明しないとダメなんだ?まぁいいや黙って聞いておこう
「私たち管理者の中では、便宜上、あなたの生まれ育った世界をアース(地球)と呼んでおります。しかし、アース(地球)には対なる世界リバースアース(逆地球)というものがあり分かりやすく言うと鏡面世界になります。」
ほー異世界的な?ちょっとだけワクワクするなぁ
「それぞれ異なる発展しておりリバースアース(逆地球)は人々に認識される形で魔力(マナ)と技能(スキル)と言った力を持ち化石燃料などは有りませんがその力を使い営みを行っています。そしてアース(地球)は科学と化石燃料で発展して来たとあなたの中で認識していると思いますが、実は認識する術が無いだけで技能(スキル)が存在しています。」
なんだって!
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