E級冒険者、覚醒した"特異能力"で過酷な現代ダンジョンを攻略するらしい。
3代目謙虚大魔王サン🐕
第1話 予兆
【ダンジョン第5層 ボス部屋】
俺はとあるギルドのダンジョン攻略パーティーに参加していた。俺自身はギルドのメンバーではなく、冒険者協会の派遣で来た人数合わせのようなものだが。
このギルドの面子のほとんどが『C級』と『D級』の冒険者で構成されている。
なので20層、30層ほどの深層を攻略するような一線級の人達はまるで雲の上の存在であり、遠く及ばない。
ま、ギルドにすら入っていないE級の俺が言うのもなんだが。
だが、そんな底辺の俺でも稼げるのがダンジョンだ。勿論その分のリスクは払わなければいけないが。
本来、このボス部屋に出現するボスモンスターは
『
浅層のボスということもあって、10メートルと巨体ながらも動きはトロく、俺たちのような『C・D級』のパーティーでも連携を取れば難なく攻略できる。
そのはずだった…
「何か"変"じゃない?」
パーティーメンバーの誰かが部屋の中央に
「そうか?」 「言われてみれば」 「うん、あんな武器持ってなかったよな」
5層ボスの討伐経験があるメンバーは口々に言う。
俺は攻略データでしか、その姿を見たことがなかったが、確かにそのデータとは外見が異なっている。
まず巨人の武器である木製の大棍棒が、ナタのような形状をした鋭利な刃物へと変わっている。
そして特徴的である顔面の大きな一つの目。それが、まるで人間のような二つ目になっていた。
◇◇◇
ボスはこちらが一定範囲に入るまで微動だにせず、膝をついて静止している。
「隊長、どうやらボスの様子がおかしいですねぇ、ここは大事を取って撤退しますか…?」
パーティーの副隊長であり参謀役の男は、カチャカチャとメガネをしきりに触りながら隊長へと進言した。
しかし、隊長はそれを受け入れることはなかった。
「バカ言え、この一回のダンジョン攻略にいくらかかると思ってる。今回はギルドメンバーだけでなく協会派遣まで雇ってるんだ、こんな浅層でおめおめ帰れるかよ」
そう言って咥えていたタバコを吐き捨て靴で踏み消した。
「そ、そうですよねぇ…」
まあ金が必要で『
派遣報酬だけじゃ物足りない、ボス攻略ボーナスも満額ゲットしてやる。
そんな感じで強い意気込みと、ほんの少しの疑問や不安を持ちながら、第5層のボス攻略は開始された。
第一話 完
読んでいただきありがとうございます。面白いと思った方は是非⭐️、❤️、コメント等よろしくお願いします!話を書く励みになります!
二話は今日中か明日には更新します〜
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