鳥になりたい、なりました

はらぺこ・けいそ

第1話

 みなさん、朝です。もしかしたら、もう昼すぎかもしれません。


 気づいたら、鳥になってました。前世があることは覚えているのですが、その他すべてが思い出せません。まぁ、大して重要ではないですね、はい。そんなことより前世からなりたかった、鳥になれました。何で鳥になりたいのかは覚えているのか?だって?それは、私もわかりませんね。家族がいたのかすら覚えてないのに、鳥になりたいという夢だけは忘れなかったのです。


 そして、夢が叶った。


 とりあえず体を起こして、自分自身の体を見つめる私。体はおそらく小さく艶のかかった白い羽によって体が覆われていいる。シマエナガでしょうかね?ですが、何か違うような…


 まぁ、とりあえずご飯を食べなければなりませんね。自分のいる場所が巣だと思うので待っていれば親鳥が餌を持ってきてくれるはずです。


 私がそうして親鳥の帰りを待つこと、数分思ったよりも早く帰ってきました。大きな芋虫を加えて。えぇ、これを食べなければいけないのは理解できます。でも、私こういうの苦手なんですよね。


 っていうか、親鳥シマエナガじゃないですし、私の知る限り鳥の頭にドラゴンの様な角が生えている個体は知りませんね。。


 ってことは、新種、もしくは異世界ということになります。異世界だと仮定するなら、私が知らない鳥ということにも納得がいきます。


 ちょっと!私の口に芋虫をウッおいぢくないです、おえ…苦すぎますよ、虫嫌いなうえに前世では人が食していた虫はクリーミーと聞いているのですが、この虫は苦くて後味が最悪です。


 はぁ、災難というかなんというか。鳥というのは大変なんですね。早く空高く飛んでみたいものですよ。鳥にもよりますけど生後二週間で巣立ちですっけ?もう何にも思い出せません。とりあえずは、おとなしく餌を食べるとしますよ早く巣立ちをするためにね。


 だからって、そんなに芋虫を口に突っ込まないでください、ウッオエェェおいしくありませんね。かと言って吐き出すわけにもいかず…とにかく今は耐え抜くときなんです!!と、自分自身に言い聞かせることにした、大して意味がなかったと後の彼女が語っていたとか。


 ふぁぁぁぁ、少し眠くなってきましたわ。そうして目を静かに閉じていくのであった。


 念願の鳥に転生だというのに、芋虫はまずく、鳥だと思っていたら親鳥の頭には角が生えていて、とてもじゃないが鳥というには獰猛すぎる。そんな彼女の人生ならぬ鳥生はどうなっていくのやら。


 っていう、ナレーションが付きそうだわ。眠いけど口の中がずっち苦くて寝れないですもの、どうしたものか困ったものですね。そんなことを一人考えていると、親鳥が私に寄り添い眠りについた。


 お、重たいですわよ。ほんと、どうしたものか。私以外に雛は見えませんし恐らく孵る事なく死んだ可能性がありますね。だからこそ、この親鳥はわたしにかまっているのでしょうか?


 分かりませんね、考えたところで親鳥が何を言っているのかすら理解できない私に私には不可能なことですね。わたくしも寝るとしますわ。



 おやすみなさい


 そして、おはよう。


 ところで、一晩でこんなに大きくなるものなんですかねぇ?


 シマエナガほど大きかった今や、カラスほどの大きさになりました。羽はやはり白く、とうとう私にも小さくはあるものの二本の角が生えてまいりましたわ。ステータスとか見れたらいいのに...


 種族『二角鳥』


『味が良く乱獲されやすい。この個体に進化の予兆あり』


 えぇ、食べられたくないですわね、どういたしましょうか。とりあえずは進化を目標にしますわ!



 まだまだ、巣立ちの時ではないと思っていた時期が私にもありました。


 親鳥の手、というより嘴によって突き落とされた高さ十メートルもあろうかという高さから、落とされ必死に翼を広げ...


 なんとか、風邪を読み取り滑空に成功しかしながらこのままでは地面と衝突する可能性が大きい。だが、彼女は鳥になりたく世界を旅しようとしているのだ、そんな彼女に味方するものはおおかった。


 風の精霊から、彼女を鳥へと転生させた上位存在までもが


 そして、ついに、その翼によって、大地を離れ空高く飛んでいくことに成功した。


 と、飛べましたわ!!!


 そうして、彼女の鳥生は新たな一歩を踏み出した。

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