第8話 五日目―依頼を受けよう①

 今日は、依頼を受けようと思う。

 以前、受付のお姉さんに言われた『午前6時までに来てください』の言葉を受け、ギルドへやって来た。


「子どもたちは、例の掲示板の前に集まるんだったよな」


 冒険者ギルドの扉を潜り、がやがやと喧騒ざわめく中、俺は目当ての場所に歩を進めた。


 子どもたちの安全を考慮して、三人以上のグループを作ることが、街の外で依頼を受ける条件だった。

 ただ、俺はスラムの住人でも、孤児院の孤児でもない。部外者にも寛容な子たちだといいが……どうなることやら。


「……っと、あそこだな」


 冒険者でごった返すギルド内で、隅に集まる子どもたちがいた。受付のお姉さんが言っていた『人員を募集する掲示板スペース』前である。


(二十人くらいか?上は、俺と同じくらいの身長の子が三人くらいか?だけど、年齢までは分からないな)


 子どもの成長は、栄養状態に左右される。そういう俺も、父母と兄の残飯処理係だったから、あまり成長しているとは言い難い。 


(どんなパーティーを募集しているんだ?)


 俺は、集まる子どもたちの邪魔にならないように、掲示板を眺めた。


『募集主 8歳 女

 募集人数 2(出来れば、女)

 依頼 草原で薬草採取の常設依頼

 (・魔力草・回復草・痛み止め草・化膿止め草)

 報酬 各10本ずつ納品で、銅貨5枚(品質により、報酬上下あり)

 採取方法 それぞれ1時間交代で、薬草採取を行う。その間の2人は、周囲の警戒役。採取した薬草は、それぞれ個人のもの。 』


『募集主 10歳 男 

 募集人数 3 

 資格 戦闘経験有り 及び 魔法使い

 依頼 森の浅い場所の薬草採取の常設依頼

    (・解熱草・中和草・浄化草 等)

 報酬 各10本で、銅貨5枚から10枚(品質により、報酬上下あり)

 採取方法 2時間交代。円陣を組み、周囲を警戒。採取した薬草の報酬は、それぞれのもの。 』


 などなど、全部で5つの張り紙がしてあったのだが、これらの中から選べばいいのだろうか?


 しかし、採取時間が正味2時間ほどしかないのはキツイ。これは、鑑定を使わざるをえない。


 それか、受付のお姉さんが勧めてくれた 『先輩Dランク以上の冒険者を一人護衛に付けることで、パーティーを組む必要がない決まりもありますよ』という裏技?を使用するしかないだろうか。


 彼ら先輩方の実質的旨味と言えば、ギルド貢献ポイントと実績情報に加味されるという信頼が生まれるだけ。


「どうするかなぁ……」

「ねぇ、君!」


 俺がポツリと呟いた時だった。茶色のボブカットの女の子に声を掛けられたのは。

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