第6話

主人公side


母体は姿を現した俺を見て複数の幻影を出してきた。それも4本腕の猿の魔物だ。そして攻撃のタイミングで実体化する。当然威力は高く、周りを囲まれた為逃げ場がない。氷の盾を作り防ぐ。それにより周りに雪の結晶が舞う。


「くっ、『ツララ乱舞』」


周囲にツララが作られ、魔物目掛け飛んでいく。ツララは魔物をすり抜けた。魔物は無傷でもう一度攻撃を仕掛けてくる。実体化するタイミングでツララが腕に突き刺さる。


ツララ乱舞は、敵を貫くまで追跡することで空を乱舞の様に舞う魔法だ。完璧なタイミングで実体化した魔物を捉えた。そして氷刀で腕を斬り全てが実体化した。


「ギャーーーー」


耳鳴りがするほどの咆哮が聞こえ、周りに魔物の気配を感じとる。そして見えてくる魔物の群れ。何体いるのかわからないぐらいの群れは俺を逃さない様に四方に広がっていた。


もう一度ツララ乱舞を使用し、複数の魔物を屠る。それでも撃ち漏らした魔物が次から次へと押し寄せる。氷刀で襲って来た魔物から斬る。時折、母体からの針攻撃があっだが、それは全て氷の盾が防ぐ。


心臓に強い痛みを感じ


「ガハッ!」


血を吐き、膝をつく。そして魔石の1つ砕ける。砕ける際、魔力が周囲の熱を奪い複数の魔物を氷漬けにする。

(まずいな、数分でこのザマか。雪が積もり始めているってことは、漏れ出したか。頼むから早くしてくれよ、ユイ)


母体が動き出したのを目視で確認できた。


「行かせるか!!『氷刀乱舞 結晶降る白銀の舞』」


周囲を巻き込んで複数の雪の結晶が舞う。雪の結晶に当たった魔物は直ぐに身体を消滅させ、母体までので道が開く。母体に近づくにつれ針の密度が高まるが、全て氷の盾で防ぐ。母体にたどり着くまでに4つあるうちの2つは砕けていた。

しかし、母体に何度も攻撃を仕掛けてもすり抜ける。その隙に追いついてきた魔物と乱戦となり、致命的な一撃を防ぎきれなかった。

母体の一撃が複数体の魔物を巻き込み、俺の右腕に直撃した。


「グッ!!」


吹き飛ばされ木に叩きつけられる。そして魔石が1つを残して砕ける。

魔物は俺が逃げ出さない様に囲み、母体が通るための道ができる。その道を通り、母体が近づいてくる。その光景は眷属が主に供物を献上する様に見える。


(ここまでか、沼から魔素は感じないから浄化できたと見ていいかな。ユイ、ありがとう)


母体が俺目掛けて腕を振り下ろす。そのタイミングでユイが割り込み光の膜がそれを防ぐ。


「優希、あとは結界を破壊するだけよ。離脱するよ」


転移魔法が発動し、結界の近く近くに転移する。

残った魔石を使い魔力暴走させ結界にぶつける。魔石が砕け爆発を起こし結界が砕ける。


そして鳴りびく警報音と緊急避難指示が聞こえてくる。そして俺は気を失うのだった。

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