私が選んだ道
はづき
第1章:社内恋愛への踏み入り
第1部:心が通じる時
第1話:馴れ初め
前の男と別れ1年と2ヶ月程度経過した2024年7月、私はづきに転機が起こりました。そして1ヶ月経過し翌月8月のお盆明けより、付き合うことになった彼とのお話となります。年上の、肉屋の社員さんです。
2024年の春――いつかは正確には分からないのですが、今の恋人となる彼が転勤で私のいる店舗へやってきました。職場の改装を挟み、4ヶ月程度は全く接点のないまま、日々を過ごしてきました。
私は登録販売者というお薬の資格者としてスーパー内の薬局で働いています。4年目の2024年、この年も毎年恒例の外部研修という、勉強会のリモートを勤務時間内に受けることになりました。コロナ禍前は対面で行っていた外部研修も、私が資格を取ってから毎年、リモートです。
「何やってんの?」
7月中旬のある日、私は勤務時間内に職場内の事務所のパソコンで外部研修を受けていました。彼より確かそのように声をかけられたのが最初だったはずです。
「外部研修っていう勉強会のリモートを受けてまして」
私はそう答え、勉強会の動画を全部見終わった後のテストで1発満点を取ったのです。そのことをまだ隣にいた彼に言うと、
「すげぇじゃん」
と言われたことを覚えています。それ以来、事ある度に彼は私に声をかけるようになりました。それも、私の周りに誰もいないことを確認して。時には、性的な話も絡んできました。かなり本格的なものでも私は全然へっちゃらなので話に合わせましたが、昼間っからようぶっ込んでくるなぁ……程度に思ってました。
その中で、私はこんなことを彼に言っていました。
「海見に行きたいですねぇ」
今はバリバリタメ口で喋っていますが、パートさん方と同じように当時は敬語でした。
「そのうち連れて行ってやる」
と彼は言っていましたが……。当時私は長髪で、髪を結んでいましたが髪型の変化にすぐ気づくのが彼。おいおい、彼が好みだという髪型で統一。
8月、職場にて某栄養ドリンクの試飲会が行われ、その日私は薬局コーナーワンオペ。私が後片付けに追われている間に彼の姿が。マネキンさんが箱開封済みのサンプル用の栄養ドリンクを私及び周辺の社員さんに配っており、そのうち1本が彼に当たりました。
「うん、飲みやすいね」
栄養ドリンクを飲めない方が多くいる中、彼が飲めることを知ることができましたね。
それから日にちがたたない間に、彼が私にある約束を。
「〇〇日空いてたら、デートしようか」
彼と話す機会があるうちに、私が月曜と金曜固定休であることを教えていました。行き先は海が見える場所で、私が先日言ったことを覚えていてくれたのです。それに私は8月が誕生日であることを教えていました。私の誕生日にどうしようか、彼なりに企んでいたのかもしれません。
初デート日が決まった後、彼は肉屋さんのメンバーにこう言いふらしていました。
「今度、美人のお姉さんとドライブしてくるんだぁ」
なんて。私に対してこうも言ってました。
「君とのデート楽しみにお盆頑張るわぁ」
夏場、私は自転車で通勤しているのですが、けっこうな雨で帰る前に困り果てていた時がありました。その時に彼が。
「送ってやろうか?」
と言われましたが断り、また言われて断りを繰り返して、彼は諦め先に帰ったこともありましたね。今は毎度ですが、最初の1回2回は送ってもらうことを断っていました。その後は徒歩通勤の日限りで彼の誘いに乗って、私の自宅最寄りのコンビニの駐車場まで送ってもらうことに。自転車だって言うと『ショック……』ってしょんぼり。
そしてやってきた私の誕生日。
「29歳の誕生日おめでとう!」
出勤して早々言われました。こうやって祝ってくれたことが、かなり嬉しかったです。お盆期間中びっちり仕事して彼は相当お疲れの様子でしたが、休憩室の自販機で飲み物を誕生日プレゼント代わりに差し入れてくれました。
それから3日後ですかね。薬局係の先輩【以後:Mさん】が有給消化のため連休でいない間のことでした。薬局コーナーを閉め、退勤して帰る支度をしようとした時。
「正直言って、君のことが好き。じゃなきゃ、デートなんて誘わねぇよ」
まさに告白――。私は固まり、何も言葉にできませんでした。初デートの約束を交わした時点でもう、私のことが好きになったんでしょうか……?
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